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日経BP 総合研究所は、林野庁の令和3年度(2021年度)補助事業における中高層・中大規模木造建築物の設計・施工者育成推進のための提案として、木造建築に取り組む実務者に向けて情報を発信している。千葉県流山市立おおぐろの森小学校・中学校(千葉県流山市)は、千葉県産スギのLVL(単板積層材)を用いた木造3階建ての学校建築だ。

 ホタルが生息しキツネの姿も見られるという千葉県流山市の大畔(おおぐろ)の森。流山市立おおぐろの森中学校はこの森を背にするように建設されている。東棟、体育館棟、西棟の3棟を、東西方向に並べ、敷地南側を東西に走る前面道路側から奥の森を見通せるように目線の通り道を確保した。完成は2022年3月の見通しだ。

おおぐろの森中学校外観パース。建物奥から、東棟、体育館棟、西棟。東棟の道路側外壁は目立つ場所であることから国産ヒノキのCLT(直交集成板)を仕上げ材として用いて木質感を強調する。左手が大畔の森、右手がおおぐろの森小学校(資料:日本設計)
おおぐろの森中学校外観パース。建物奥から、東棟、体育館棟、西棟。東棟の道路側外壁は目立つ場所であることから国産ヒノキのCLT(直交集成板)を仕上げ材として用いて木質感を強調する。左手が大畔の森、右手がおおぐろの森小学校(資料:日本設計)
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 コンセプトは、「高台の緑に溶け込む 森の中の木の学び舎」。前面道路を隔てて向かい側に2021年4月に開校した流山市立おおぐろの森小学校のコンセプトを継承する。「木の学び舎」という言葉通り、中学校も小学校と同じく木造3階建ての校舎。小学校の基本計画策定業務や基本・実施設計業務などの受託者として簡易公募型プロポーザルで選定された日本設計が、随意契約で設計・監理にあたる。

 「中学校も小学校と同じコンセプトでつくるにあたって、設計者には市の考えを理解していることが求められた」。流山市教育委員会学校施設課長の大塚昌浩氏は随意契約の理由をこう説明する。また日本設計は小学校の基本計画を策定する段階で地域住民向けの説明会やワークショップに同席してきた。そうした経験から学校建設に対する地域の思いを肌で感じ取っているという点も評価された。

小中学校の全体配置図(資料:日本設計)
小中学校の全体配置図(資料:日本設計)
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