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 日経BP 総合研究所 社会インフララボ、日経アーキテクチュア、日経クロステックが2021年12月9日に開催した「木材活用フォーラム2021・冬」の概要を紹介する。鉄骨造や鉄筋コンクリート造などと異なり、木造は中大規模建築物の歴史が浅い。今後の都市木造の普及拡大に向け、木造に不慣れな設計者も着手できる都市木造とは何か(記事内容は2021年12月9日時点)。

腰原 幹雄 氏
腰原 幹雄 氏
東京大学 生産技術研究所 木質構造デザイン工学 教授

 日本各県の人工林の木材量と建築物の着工床面積を見比べると、一般に木材量が豊富な地域は建築床面積が小さく、建築需要が多い都市部は逆に木材量が乏しい。森林資源の活用を考えるなら、都市部での木材の消費拡大が課題であり、そこで「都市木造」の概念が求められるようになった。

 地方で生産される木材を、都市部でどう使っていくか。都市に求められる建築に木材をどう使うのか。日本には伝統的な木造建築の歴史があるが、「都市木造」は過去に参考となる事例がない。そのため、新しい木造建築の仕組みを構築することが重要だ。新しい産業や職能も必要になるだろう。

 建築を供給する側だけなく、建物を使う側が、都市木造をどう認識するかも課題となる。現状の都市木造には、環境負荷を軽減する社会貢献が期待されるが、最終的には木造により快適な都市、快適な空間の実現が大きなメリットになるはずだ。