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7カ国で実施した「木材を使った建物に対する国際意識調査」

小原隆 日経BP総合研究所は、20年11~12月に日本とフィンランド、21年1月にオーストリア、イタリア、英国、カナダ、オーストラリアの計7カ国で、20~60代の一般消費者を対象に「木材を使った建物に対する国際意識調査」を行なった。木材を使った建物に対する消費者の意識や関心の違いの把握が目的だ。その一部を紹介したい。

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❶「木材を利用することについてのイメージ」は、フィンランドとオーストリアは80%以上が「良い」イメージで、各国とも「良い」の割合が大きいが、日本は58.0%と最も低い。

❷「森林資源の循環利用の意義を学ぶ機会の有無」について、「よくある/あった」「ときどきある/あった」を合計すると、日本は39.4%で7カ国中最低。最多はイタリアで83.8%。

❸「木材や木材製品を購入、利用する際に意識すること」では、オーストリア以外の6カ国で「耐久性」がトップ。日本は「特に意識することはない」が他国と比べて高い。

❹平日、自宅以外で「木材を使った建物」で過ごす時間は、日本は「0時間」が8割近く、「1時間以上」は12.8%にとどまる。フィンランド、オーストリア、カナダ、オーストラリアは「1時間以上」が4割を占め、「4時間以上」も2割超存在する。

❺普段見かける戸建て住宅以外の「木材を使った建物」の種類を尋ねた結果、日本は「商業施設・店舗」が28.3%で最多。フィンランドは「幼稚園・保育園」が56.2%と高い。

❻「普段、長い時間を過ごす建物」の内装に求める材料は、7カ国で「木材」がトップ。日本は「特にこだわらない」が約5割と高い。

❼「木材を使った建物」に当てはまると思うイメージは7カ国すべて「デザインが美しい」が最多。フィンランド、オーストリア、イタリアはポジティブなイメージが高い傾向にあり、「健康に配慮できる」「気候変動対策に役立つ」「社会貢献活動、SDGsの一環になる」で他国との差が大きい。一方、ネガティブなイメージは、7カ国とも「火に弱い」が最多で、日本は約4割と他の項目に比べて突出して高い。「メンテナンスが面倒」や「腐りやすい」は英国やオーストラリアで高く、フィンランドやオーストリアで低い傾向。

❽「木材を使った建物」に取り組む企業への好感度について、日本は「非常に好感を持つ」の割合が1割台。「まあ好感を持つ」を合計した好感度も78.0%で7カ国で最も低い。好感度が高いのはフィンランド95.4%、イタリア92.2%で9割を超える。

❾SDGsやESG投資への関心度は、日本が45.8%と最も低い。最も関心が高いのはイタリアで81.2%。「SDGsやESG投資などの概念を知らない、わからない」の割合はフィンランド、イタリアでは1割、日本では2割強、英国、カナダ、オーストラリアでは約3割で、概念の浸透度に差が見られる。