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法令の趣旨を理解する

小原:法令の趣旨を理解して設計することは重要ですね。

安井:法令で規制されているということは、人命と財産を守る目的があるからです。建築基準法では、人が死なないように、財産がなくならないように、最低限これくらいでつくっておこうということが定められています。

 木造の防耐火についての法令は、実は「防耐火構造制限」「内装制限」「防火区画等」の3つを理解するだけで大丈夫です。まず防耐火構造制限は、構造駆体(くたい)を燃えにくくすること。火災でもなかなか倒れない、延焼しない構造とすることです。

 2つめの内装制限は、火災の初期に内装を伝わり燃え広がっていくのをどう制御するかということ。さらに、不特定多数の人が使う多層階の建物では、3つ目の防火区画等が重要になってきます。このほかに避難などもありますが、これはRC造などの非木造と考え方は同じです。

 「その他建築物」では、柱や梁(はり)などの構造駆体に防火規制がかかりません。2階建て以下の建物では、大抵この手法で建てられます。延べ面積が1000m2を超えると、防火壁を使って区画します。

 ただし、このような「特例」について、順法ならそれで良しとする風潮には違和感を覚えます。設計者は法令の趣旨をしっかりと受け止めて、万が一火が回った時の対処法までをきちんと考え、建築主や利用者の生命と財産を守る設計に努めるべきです。一部の設計者の中には、法令を自分勝手に解釈し、規制をどうしたら避けられるか……ということを狙っている人もいます。私はこれには同意できません。

防耐火建築物ごとの火災時の自立性状(資料:京都府木材組合連合会「京都の木で木造建築物を建てるための・・・ニホヘト」)
防耐火建築物ごとの火災時の自立性状(資料:京都府木材組合連合会「京都の木で木造建築物を建てるための・・・ニホヘト」)
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