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木材が腐ることを防ぐ

小原:木造建築の維持管理についてはどうですか。

安井:木材は、「腐る」「喰(く)われる」「割れる」「反る」「変色する」「凹む」といった多くの弱点を持っています。これは、S造やRC造などの無機物の材料とは違う点です。例えば、薬剤処理した木材を「腐りません」とうたっているメーカーでも、よく聞いてみると「5年で薬剤の効果は消えます。薬剤を必ず5年ごとに注入してください」と言われたりします。

 木材が腐ることを防ぐには、水や湿気と縁を切ることが基本です。乾燥した気候の欧州においても、1階はRC造として2階以上を木造にしたり、木の腐朽に配慮したりしています。

木材の主な短所とその対策例(資料:京都府木材組合連合会「京都の木で木造建築物を建てるための・・・ニホヘト」)
木材の主な短所とその対策例(資料:京都府木材組合連合会「京都の木で木造建築物を建てるための・・・ニホヘト」)
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 木造建築は、木材の持っている弱点をきちんと知った上で使う必要があります。日本では00年に建築基準法が改正され、10年に公共建築物等木材利用促進法が施行されました。この20年ほどで、公共建築物などを中心に木造建築が数多く建てられています。

 最近、建てられて10〜20年くらい経過した木造建築を見てまわっています。新築当時の建築雑誌を引っ張り出してきて、新築時の様子と現在の建物の姿を比較して経年変化を見るのです。5年、10年、15年、20年──そういう節目でどう変わって、何が起こっているかを自分の目で見て把握することは、木造建築に取り組む上では役に立ちます。

 木のいえ一番協会のホームページから、「建築物における木材の現し使用の手引き」というパンフレットがダウンロードできます。木材の経年変化についてまとめられているので参考になるでしょう。

「建築物における木材の現し使用の手引き」の表紙(資料:木のいえ一番協会)
「建築物における木材の現し使用の手引き」の表紙(資料:木のいえ一番協会)
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