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 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、林業・木材産業において木材需要の減少、事業者の事業継続に影響が生じている。こうした事態を解消するために、林野庁は「過剰木材在庫利用緊急対策事業」を2020年6月から開始した。対象となる施設に工務店などが木材製品を使う際の経費について助成する。

 新型コロナウイルスは建築市場にも影響を及ぼしており、木材需要の減少や、これに伴う在庫の増加、減産、入荷制限といった事態が起こっている。こうした状況を重く見た林野庁は公共施設などにおける木材活用を支援する。

 「過剰木材在庫利用緊急対策事業」は、2020年度補正予算の「国産農林水産物等販売促進緊急対策事業」のなかから約100億円を充てる。対象となる施設は、(1)公共建築物等木材利用促進法に基づく公共施設(学校、保育園、病院、老人ホーム、駅、庁舎など)、(2)災害対策基本法に基づく指定公共機関の施設、(3)公共の用に供する場に設置される外構(公園などの塀や柵、デッキ、遊具など)だ。

過剰木材在庫利用緊急対策事業の概要(資料:林野庁)
過剰木材在庫利用緊急対策事業の概要(資料:林野庁)
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 林野庁担当者は「公共施設への木材活用を中心に支援する。また災害対策基本法に基づく指定公共機関も対象としており、これには民間のエネルギー事業者や通信事業者、コンビニエンスストアやスーパーなど大手流通事業者の施設も位置づけられている。公園や、これら施設に付帯する塀やデッキなど外構への木材活用も対象としているので、幅広く申請してほしい」と話す。

 支援するのは、工務店などの施工者が木材製品を利用する際の経費(材料費、工事費)。構造材と内装材については支援水準または経費の2分の1のいずれか低い金額、外構材については支援水準または経費のいずれか低い金額となる(外構材のみ上限3000万円)。

■支援水準の例

  • 構造材:床面積1m2当たり3万9000円
  • 内装材:内装面積1m2当たり1万2000円
  • 外構材:延長1m当たり1万7500円

 助成の申請期間は2020年6月1日から10月30日まで。木材製品を利用する工務店などが、全国木材組合連合会の会員である各都道府県の地域木材団体に申請する。交付の申請は、事業が完了した日から起算して1カ月を経過した日、または2021年2月26日のいずれか早い期日までに行う必要がある。なお、部分完了の状態でも交付申請が可能となる場合もある。

 全国木材組合連合会では、全国9カ所で説明会を実施する予定だ。

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