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 新型コロナウイルスの感染拡大による木材需要の減少、事業者の事業継続に影響が生じている。こうした事態を受けて、林野庁は「過剰木材在庫利用緊急対策事業」を2020年6月から開始した。この事業を活用した事例を紹介する。

 新型コロナウイルスは建築市場にも影響を及ぼしており、木材需要の減少や、これに伴う在庫の増加、減産、入荷制限といった事態が起こっている。こうした状況を重く見た林野庁は公共施設などにおける木材活用の支援を2020年6月から始めた。建築工事だけでなく、外構工事も対象としている。

地域防災拠点を担う木造のZEB自動車学校

 20年9月4日、土浦北インター自動車学校教室棟の上棟見学会が行われた。延べ床面積995.04m2、平屋建て、JAS製材を用いて構造上主要な部分を既製の接合金物で接合した汎用性の高い中大規模木造建築だ。気温30度を超えるなか、コロナ対策で見学者数に制限を設けたものの、延べ100人を超える見学者が訪れた。

土浦北インター自動車学校の新校舎は、学科教室3室、高齢者講習専用講習室、2輪車専用室、応急救護処置室など平屋4棟、延べ面積995.04m<sup>2</sup>。構造材は全て国産材で128.92m<sup>3</sup>を使用する(資料:ナイス)
土浦北インター自動車学校の新校舎は、学科教室3室、高齢者講習専用講習室、2輪車専用室、応急救護処置室など平屋4棟、延べ面積995.04m2。構造材は全て国産材で128.92m3を使用する(資料:ナイス)
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上棟見学会の様子。柱・梁(はり)の主要構造材にはJAS構造材を用い、教室棟は張弦梁トラスによる8400mmのスパンとした(写真:村島 正彦)
上棟見学会の様子。柱・梁(はり)の主要構造材にはJAS構造材を用い、教室棟は張弦梁トラスによる8400mmのスパンとした(写真:村島 正彦)
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 工事を請け負うナイス(横浜市)の木造建設事業本部木構造事業部の遠藤雅宏部長は、「過剰木材在庫利用緊急対策事業の情報を得て、要件に合うと考え申請した」と話す。

 同自動車学校は、運営会社のIACドライビングスクール(茨城県土浦市)が地元の土浦市と協議し、地域防災拠点としての機能を担う計画とした。東日本大震災時に被災地の自動車学校が、避難や救援物資輸送、仕分けの拠点として貢献したことを教訓にしたものだ。

 教室棟は、平時の温暖化ガスの排出抑制に加え、災害時にもエネルギー供給などを可能にするため、太陽光パネルと蓄電設備を備えたZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)とした。ZEBについては、環境省の平成30年度および平成31年度「二酸化炭素排出抑制対策事業費等助成金(地域の防災・減災と低炭素化を同時実現する自立・分散型エネルギー設備等導入推進事業)」の採択を受けている。

 駆体(くたい)材料は、全て国産材(過半が茨城県産材)を使用。この木材利用について過剰木材在庫利用緊急対策事業に申請した。自動車教習所として補助対象の要件に該当したからだ。完成は20年12月を予定している。