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野外保育と両立させる木造の認定こども園

 認定NPO法人「森のECHICA」(埼玉県秩父市)の葭田(よしだ)あきこ代表理事は、「『花の森こども園』の園舎を新築するに当たって、関係する森林関連の社団法人から事業の紹介があり申請した」と説明する。

 葭田代表理事は、認可外の野外保育を秩父市周辺で12年にわたって行ってきた。認定こども園へのステップアップを図るため、秩父市内の森の中に土地を確保。野外保育と両立させる木造園舎を、木造住宅の実績が多い工務店のビーエムプランニング(秩父市)に依頼した。

 ビーエムプランニングの小櫃政史代表は「ちょうど建築確認申請の手続き中で、認定こども園も助成対象となることから申請した」と話す。20年7月に上棟し、同11月末の完成に向けて工事を進めている。葭田代表理事は「NPO運営で財源は少なく、金融機関からの融資にも限りがある。木材利用への助成金は大変助けになった」と打ち明ける。

「花の森こども園」の建設の様子。秩父市の野外保育を行う森の中に、木造の園舎を建設している(写真:ビーエムプランニング)
「花の森こども園」の建設の様子。秩父市の野外保育を行う森の中に、木造の園舎を建設している(写真:ビーエムプランニング)
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埼玉県産材をプレカットして現場に搬入し、在来軸組構法で建設する(写真:ビーエムプランニング)
埼玉県産材をプレカットして現場に搬入し、在来軸組構法で建設する(写真:ビーエムプランニング)
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複数の外構工事で木材活用

 上原林業(宮崎県三股町)は、木材を使った外構について幼稚園や福祉施設など8件で事業を申請した。同社の上原洋一代表は、「当社は宮崎県産のスギやヒノキを用いた住宅事業を行っている。これまで住宅の外構などの木質化で、『外構部の木質化支援事業』を活用した経験がある。今回の過剰木材在庫利用緊急対策事業は公共建築物等木材利用促進法に基づく公共施設が対象となっており、塀などの外構について、幼稚園やこども園などで4件、福祉施設で4件の申請をした」と話す。

 各施設とも既存の金属製フェンスなどが老朽化したため、木材を使った更新を提案し、受注につなげた。

 過剰木材在庫利用緊急対策事業の申請締め切りは20年10月30日だ。事業の対象となる施設は、(1)公共建築物等木材利用促進法に基づく公共施設(学校、保育園、病院、老人ホーム、駅、庁舎など)、(2)災害対策基本法に基づく指定公共機関の施設、(3)公共の用に供する場に設置される外構(公園などの塀や柵、デッキ、遊具など)だ。

 木材製品を利用する工務店などが、全国木材組合連合会の会員である各都道府県の地域木材団体に申請する。過剰木材在庫利用緊急対策事業について詳しくはこちら