森林環境税は2024年4月に施行される予定だ。それに先立つ19年4月から、森林環境譲与税が始まる。まずは約200億円が全国自治体に配分される。以降、順次増額され、33年度から毎年約600億円の使途が自治体に委ねられることとなる。
森林環境税(仮称)は国内に住所を有する個人から1人あたり年間1000円を課し、市町村が個人住民税と併せて徴収する。一方、森林環境譲与税(仮称)は徴収した森林環境税を、利用する主体である市町村と都道府県に配分する際の名称となる。
森林環境税は2024年4月、森林環境譲与税は19年4月にそれぞれ施行される予定だ。森林環境譲与税の金額は、市町村の体制整備に合わせて徐々に増加するように設定している。
森林環境譲与税は森林の整備を目的としている。とはいえ、山間部と都市部の自治体に求められる趣旨はやや異なる。山間部は森林整備の促進、都市部は森林整備の促進に資する木材の利活用や普及啓発が期待されている。
森林環境の持続的なシステムを目指すにあたっては、木材の安定的な需要増が不可欠となる。そこで、日経BP総研 社会インフララボは、木材消費において重要な役割を担う都市部の自治体における森林環境譲与税の配分額を試算した。
森林環境譲与税は、50%が「私有林人工林面積」、20%が「林業就業者数」、30%が「人口」の比率によって配分される。今回は、都市部の自治体に対して配分額への影響が大きいと予想される人口だけを抜き出し、リスト化した。対象は、政令指定都市と東京23区だ。
配分額の計算方法は、「各年度の譲与額」×「各年度の市町村分の比率」×「人口で案分する比率」×「市町村の人口比率(2015年国勢調査)」。なお、人口だけに基づく試算なので、譲与総額の30%分となる。また、法施行時に決定される正式な配分額とは異なる点にも注意してほしい。