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当面はプライベート運用、将来はパブリック化を目指す

ブロックチェーン関連の開発に携わるようになった経緯は。

 ブロックチェーンを手掛ける前は、LINEアプリのメッセージング機能に関連し、分散データベース(DB)ミドルウエア「HBase」の運用と、それを使ったビジネスロジックの開発を担当していました。

 以前から仮想通貨の可能性について社内で研究を進めていたのは知っていましたが、私が実際にブロックチェーンに触り始めたのは2018年に入ってからです。仕事として始めたのは社内に研究開発組織「Blockchain Lab」ができた2018年4月からですね。Labの構想は聞いていたので、自分から「やってみたい」と手を挙げました。日本と韓国のチームが同時に立ち上がりました。

元々はDBに詳しい技術者だったとのことですが、実際にブロックチェーン技術に触れての感想は。

 韓国のICONからソースコードの提供を受けたのですが、本体がPythonで記述され、さらにスマートコントラクトもPythonで記述できる点は「面白いなあ」と感心しました。

 同じブロックチェーンでも、例えばEthereum(イーサリアム)はSolidityという専用言語でスマートコントラクトを記述する必要があります。ICONはなじみ深いPythonを使えるのでハードルは一気に下がります。

LINK ChainはICONをベースに開発したとのことですが、中核となる合意形成アルゴリズムは。

 LINK ChainはBitcoin(ビットコイン)のようなパブリックチェーン(インターネット上で誰でもノードを設置・運営できるブロックチェーンネットワーク)ではなく、限られたノードで運用するプライベートチェーンです。このためBitcoinのようなPoW(Proof of Work)ではなく、プライベートチェーンで一般的なPBFT(Practical Byzantine Fault Tolelance)をコアのアルゴリズムに採用しています。

 ただ、一般的なPBFTはリーダー役のノードを固定としますが、LINK ChainはDPOS(Delegated Proof of Stake)の仕組みを採用し、複数のノード間でリーダー役を回り持ちさせます。リーダーノードと複数のバリデータ(検証ノード)でブロックチェーンを生成・検証します。

 このほか、リーダーでもバリデータでもないデータ参照用のノードもあります。サードパーティにdAppsを開発してもらう場合、このノードをサードパーティに運用してもらう可能性もあります。

今後の技術開発の方向性は。

 Link Chainの拡張性を高め、秒間1000トランザクションという処理速度をさらに向上させます。最終的なゴールであるパブリックチェーン(インターネット上で誰でもノードを設置・運営できるブロックチェーンネットワーク)に向けた技術的な改造にも取り組みます。ただパブリックチェーンとする場合は、現在の合意形成アルゴリズムを根本から作り変える必要があり、方式について検討しています。