デジタル化へのニーズが高まり、ITエンジニアに求められるスキルやノウハウも変わりつつある。実務知識や保有スキルの証明手段の1つであるIT関連の資格も、こうしたトレンドと無縁ではない。日経 xTECH会員へのアンケート調査を基に「いる資格」「いらない資格」をあぶり出した。
IT関連資格の取得動向を明らかにするため、「IT資格実態調査」として2018年8月、Webサイト「日経 xTECH」でアンケートを実施。読者会員1004人の回答を得た。編集部がピックアップした47種類のIT資格について、保有状況や役立ち度合い、取得意向を調べた。
まず、回答者が保有するIT資格の動向を見よう。
最も伸びたのは基本情報技術者
回答者が保有しているIT資格を全て挙げてもらい、20人以上が保有するものについて、多い順に並べた。
1位は「基本情報技術者」で637人が保有、全回答者1004人に占める取得者の割合を示す「回答率」は63.4%に上る。2位は49.9%(501人)で「応用情報技術者」。3位は「情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)」で25.7%(258人)だった。
それでは、保有者が増えているIT資格はどれか。2017年7月に実施した前回調査の回答率との差分で比べてみよう。回答率が最も伸びたのは「基本情報技術者」でプラス5.6ポイント。「情報処理安全確保支援士」がプラス4.4ポイントでそれに続いた。
今回のアンケートで選択肢として用意した47種類のIT資格の回答率の伸びは、平均でプラス1.16ポイントだった。47のうち12のIT資格が、前回から回答率を落とした。減少幅が最も大きいのは5位の「ネットワークスペシャリスト」で、マイナス2.1ポイント。昨年の同率3位から後退した。
ITILとOracleが取得者比率でベスト10入り
IPA(情報処理推進機構)の資格が上位を占める傾向は前回同様だ。民間資格では、「ITIL系(ITILファンデーション試験など)」が18.0%(181人)で6位に、米Oracleの「オラクル データベース分野(ORACLE MASTER、認定MySQLなど)」が16.1%(162人)で8位に入った。いずれも回答率の伸びはプラス3.4ポイントと、底堅さがうかがえる。
民間資格で最も回答率を伸ばしたのは、米Microsoftの「マイクロソフト サーバー分野(Windows Serverなど)」でプラス4.2ポイントだった。