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 マツダが2018年10月に相次いで部分改良したSUV(多目的スポーツ車)「CX-5」「同8」(図1)。同社は、両車に操舵後に車両を直進状態に戻すのを支援する新技術「G-ベクタリングコントロールプラス(GVCプラス)」を初めて搭載した。コーナリングや操舵による緊急回避、車線変更などを想定した機能で、運転者がステアリングホイールを切り戻す際に、車両を直進状態に戻す復元モーメントを加えることでオーバーステアを抑制し車両の挙動を安定化(収束性を向上)させる。

図1a 部分改良を施したマツダのSUV「CX-5」
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図1b 部分改良を施したマツダのSUV「CX-8」
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図1 部分改良を施したマツダのSUV「CX-5」「同8」
左がCX-5、右が同8。GVCプラスを標準で搭載する。

 GVCプラスは、「SKYACTIV-VEHICLE DYNAMICS」と呼ぶ同社の新世代車両運動制御技術の第2弾に位置づけられる技術だ。同技術の第1弾は、2016年に実用化した「G-ベクタリングコントロール(GVC)」である。GVCは現状では、全てのマツダ車に搭載される基盤技術になっている。同社車両開発本部操安性能開発部主幹の梅津大輔氏によれば、GVCプラスも、順次他車に搭載していく予定だ。

 同社がSKYACTIV-VEHICLE DYNAMICSで狙うのは、「走る、曲がる、止まる」という車両の運動制御に関わるユニットをバラバラではなく協調させて制御すること。そして、それによりハードウエアが持つポテンシャルを最大化し、走行性能を高めることだ。

 例えば、第1弾のGVCでは、運転者の操舵に合わせてエンジンを制御することで、コーナリングや操舵回避の際の車両の応答性や安定性を高めた(図2)。具体的には、コーナリングや操舵回避のために運転者がステアリングホイールを切り始めた時、エンジントルクを絞って車両の前後荷重配分を前寄りに移動させる。それにより、駆動輪である前輪の接地荷重を増やし、タイヤの性能を最大限に引き出して車両の応答性を高める。一方、旋回が軌道に乗ってステアリングホイールの舵角を一定に保つ段階になったら、エンジントルクを復元させる。車両の前後荷重配分を元に戻すことで、車両の安定性を向上させる。

図2 GVCプラスおよびGVCの動作イメージ
図2 GVCプラスおよびGVCの動作イメージ
GVCは、ステアリングホイールの切り始めと保持中に動作する。切り始めは、エンジントルクを絞って荷重を前輪側に移動させ前輪の接地荷重を増して車両の応答性を高める。保持状態では、エンジントルクを復元し、車両の前後荷重配分を元に戻すことで、車両の安定性を向上させる。一方、GVCプラスは、旋回の終盤に動作するもので、運転者がステアリングホイールを切り戻し始めると、外輪側の前輪にブレーキをかける。それにより、車両を直進状態に戻す復元モーメントを発生させ、切り戻しを支援する。(出所:マツダ)
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