転職によって、現在抱えている課題や悩みは解消されるのか、給与は上がるのか。日経 xTECHが実施した「IT人材の転職意識調査」では、転職経験のある人に対して、直近の転職の満足度や給与の変化について尋ねた。
まず、直近の転職に対する満足度を見ると、満足と不満が拮抗している。満足している派(「大変満足している」「おおむね満足している」の合計)は35%、不満派(「あまり満足していない」「全く満足していない」の合計)は32.3%と約3分の1ずつを占めた。残りの3分の1は「満足とも不満ともいえない」(32.7%)だった。
転職で職場環境が改善されるとは限らない。望み通りの職場を手に入れる人もいれば、そうでない人もいるということが、この結果からもうかがえる。
転職に対する満足度について、より細かく見てみよう。「給与」や「やりがい」、「勤務時間/勤務日」など8項目に関する満足度を示したのが、下のグラフである。多くの項目で、満足と不満が拮抗している。
唯一、「満足」が半数を超えたのが「勤務時間/勤務日」だ。「大変満足している」「おおむね満足している」が60.1%に達した。「あまり満足していない」「満足していない」は16.7%にとどまっている。
勤務時間や勤務日は、基本的に求人情報で明記されている。条件に納得した上で入社しているので、不満が少ないと推測される。
次いで満足度が高いのは「給与」で、合計の満足度は44.5%。給与も勤務時間と同じく、求人情報で事前に把握できることが影響しているのかもしれない。
最も満足度が低いのは「社風」で、「あまり満足していない」「満足していない」の合計が43.8%に上る。社風は、実際に入社してみなければ分からない部分が大きい。事前に思い描いていた環境と異なっていたことが入社後に分かり、失望する転職者も少なくないのだろう。