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 「当社の宇宙事業の50年以上の歴史の中でも経験が無い速度で現在の宇宙事業を取り巻く環境は変わりつつある」。こう語るのは、三菱電機の中畔弘晶氏(同社 電子システム事業本部 宇宙システム事業部長)だ(図1)。例えば、人工衛星のユーザーからのニーズが多様化している。通信衛星では5Gに対応するために衛星の大電力化必要になり、観測衛星では観測結果の高精度と高頻度が求められる。こうした機能を集約した大型衛星の開発が進む一方で、小型衛星を連携させる衛星コンステレーションで小型衛星の需要も増えていると同氏は指摘する。

図1 三菱電機 電子システム事業本部 宇宙システム事業部長の中畔弘晶氏
図1 三菱電機 電子システム事業本部 宇宙システム事業部長の中畔弘晶氏

 国内大手の衛星メーカーである三菱電機は、衛星や地上設備を手掛ける「宇宙システム事業」を成長けん引事業と位置付ける。2017年度に約1100億円だった同事業の売上高を2021年度に1500億円に伸ばす計画だ。

 そのため約110億円を投資して、衛星の新工場を同社の鎌倉製作所(神奈川県鎌倉市)に建設中である(図2)。衛星の組み立てと試験を実施する。稼働開始は2019年10月の予定である。同社が主力とする大型衛星に換算した並行生産能力は、従来の10機から18機になる。同社の工場向けIoT(Internet of Things)基盤の「e-F@ctory」を導入し、試験工程を自動化する。大型衛星のコストを30%引き下げる。

チェンバーの写真はイメージ。
図2 新衛星生産棟に導入する主な設備
(図:三菱電機)
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 同生産棟は、質量が数百kgと同社には小型の衛星の生産も見据える。小型衛星向けの生産設備は、当初は置かず、後に設置する。ただし「100kg以下の衛星の開発は考えていない」(中畔氏)。実用に耐える性能や、耐用年数などを考慮すると、100kg以下の衛星よりも数百kgの衛星の方が市場は大きく広がると同社は見る。

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