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 シャープは、人工衛星など宇宙向けの太陽電池を、電気自動車(EV)やドローンなどの地上用途で展開していく。衛星用の発電効率が30%を超える高性能品を、地上用の大きな需要を活用することで価格を下げる(図1)。価格が下がれば、そのまま衛星用などの宇宙向けにも低価格で供給できると期待する。「地上用途に大量生産することで、生産コストを最終的に1/10~1/100まで下げられる」(同社ビジネスソリューション事業本部 化合物事業推進部 部長の高本達也氏)(図2)。

図1 宇宙用から地上用への用途拡大で生産コストを1/100に
図1 宇宙用から地上用への用途拡大で生産コストを1/100に
(図:シャープ)
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図2 シャープ ビジネスソリューション事業本部の化合物事業推進部 部長の高本達也氏(左写真)と同部 課長の山口洋司氏(右写真)
図2 シャープ ビジネスソリューション事業本部の化合物事業推進部 部長の高本達也氏(左写真)と同部 課長の山口洋司氏(右写真)
(写真:シャープ)
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 同社は、人工衛星向け太陽電池の厚みを従来の155µmから27µmにした(図3)。基板を15µm厚に薄くしたことで、質量は1/14以下になる。薄型・軽量にすることで、衛星の質量を小さくでき、太陽電池パネルを大面積化して大電力化できる。これにより、高速通信に対応するための大電力化や、推進機構に電気のみを使う全電化に適するようになった。

図3 シャープが開発した太陽電池「IMM-3J」(表右)と、従来品(表左)の比較
図3 シャープが開発した太陽電池「IMM-3J」(表右)と、従来品(表左)の比較
(図:シャープ)
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 薄型品の別の特徴は、曲げた状態で使用できることだ。軽量化のために曲面にして剛性を保ったガラス板の上に太陽電池を実装可能である。この実装手法を使うと、衛星1kg当たり150Wの発電量を実現できるという。従来の太陽電池は、平面で剛性をとるハニカム構造上に実装する必要があり、重く、30~35W/kg程度にとどまっていた。新型品は、100~120W/kgを実現できる競合の海外メーカー品よりも優れる。

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