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働き方改革の成果が出ない。何か間違っているのだろうか――。こんな悩みを聞くことが増えた。そこで日経 xTECHは2018年9月28日、日本を代表するCIO(最高情報責任者)やCDO(最高デジタル責任者)など40人を集め、「ココがヘンだよ働き方改革」と題して議論。その中身を紹介する。

 パソコンを使った事務作業などを自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)が、働き方改革の有効な手段として大きな注目を集めている。定型的な作業をRPAツールで作成したソフトウエアロボット(ソフトロボ)に実行させて、人手の作業を減らす。

 2018年に大ブレークしたRPAは導入コストが比較的安く、投資対効果が出やすいと言われる。しかし、そんな簡単にうまくいくのだろうか。会合では、RPAで一般に語られていることとは異なる、意外な意見が次々と飛び出した。参考になるコメントをまとめた。

RPAは小さく産んで大きく育てる

――三菱商事 IT企画部長 兼 コーポレートスタッフ部門CIO 樋口 毅 氏

 RPAで人件費を削減したり、浮いた人員を戦略的な分野に振り向けたりする話題がメディアをにぎわせている。働き方改革を支えるITツールの1つにのし上がったことは間違いない。

 そんな世の中の歓迎ムードのなか、三菱商事の樋口毅IT企画部長兼コーポレートスタッフ部門CIOは経営層に対し、「RPAは経営にインパクトがない」と説明したというから驚きだ。RPAを最初に導入したときのことである。

三菱商事の樋口毅IT企画部長兼コーポレートスタッフ部門CIO
三菱商事の樋口毅IT企画部長兼コーポレートスタッフ部門CIO
(撮影:井上 裕康、以下同じ)
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 理由は、最初から過大な効果を期待すると、本来得られるはずの成果すら上げられなくなると考えたからだ。あえて「経営にインパクトはない」と言っておくことで、経営層の期待値を高め過ぎないようにしたわけである。

 「RPAは小さく産んで大きく育てることで、本当の効果を発揮する。初めから大きな効果を期待すると、最初のリリースで疲れ果ててしまい、その後の改善が進まなくなる」。樋口氏はこう話す。

 RPAの導入で樋口氏が描いたロードマップはこうだ。ソフトロボを作成する過程で、現場の業務プロセスを明らかにする。ソフトロボを追加したり更新したりしながら業務プロセスのムダを明確にして見直していく。

 樋口氏がRPAで狙うのは、短いサイクルで業務改善を繰り返すことである。RPAは手軽に導入でき、追加や更新も容易。だからこそ「粛々とRPAを推進していく」(樋口氏)。最初から大きな花火を打ち上げようとすると、後で痛い目に遭いかねない。

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