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パートナー企業にプラットフォームを提供

 さらにKDDIは、2018年1月から他業種のパートナー企業にプラットフォームとサービスを提供する、コラボレーション型ホームIoTサービス「with HOME」を開始した。既にパートナー企業として、住宅会社ではアキュラホームや飯田産業、建材会社ではナイス、エネルギー関連では静岡ガスや鳥取ガスなど、2019年1月24日時点で27社が提携している。

 au HOMEに用いられるデバイスとサービスを、パートナー企業を通じて販売し、サービスの提供に必要なサーバーやアプリなどをKDDIが提供するビジネスモデルだ。これにより、au以外の携帯電話利用者もKDDIの提案するホームIoTサービスが利用できる。

with HOMEの概要を示す図。システムはau HOMEとほぼ同じもので、アプリやサーバー環境をKDDIが提供する(資料:KDDI)
with HOMEの概要を示す図。システムはau HOMEとほぼ同じもので、アプリやサーバー環境をKDDIが提供する(資料:KDDI)
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 住宅会社が独自のIoTサービスを開始し、維持するのは大変だ。情報通信の技術者を抱えてシステムを開発、データセンターを維持し、デバイスを収集または開発するといった事業を、住宅会社が独自に行うのはハードルが高い。一方、携帯電話の大手キャリアであれば、既存のビジネスの経験やネットワークを生かして、スマートホーム事業に取り組むことができる。また、インターネットの接続サービスも行うKDDIであればこそ、設置サービスや保守メンテナンス、トラブルサポートなどに対応する体制も整っている。

 パートナー企業と協業するwith HOMEのビジネスモデルは、au HOMEの普及拡大を目指すものであると同時に、住宅会社のIoT分野への進出を助けるものであるともいえる。

スマートスピーカーの普及を追い風に

 現在、携帯電話3大キャリアの中で、コンシューマー向けのスマートホーム事業を本格化しているのはKDDIだけだ。NTTドコモやソフトバンクは、BtoBサービスの提供や実証実験などにとどまっている。

 2社に先駆けて、IoTホームサービスに取り組んだ理由は何か。前出の渡辺部長に尋ねた。

「2社に先駆けたと我々は考えていない。ライバル2社は、IoTという言葉がまだ一般的ではない頃から既に、スマートホームの先駆けとなるようなサービスを展開していた。現在の2社の動きは、そうした早過ぎたサービスの結果から生じたものだろう。むしろ我々は最後発としてサービスを開始している。2社に先駆けたように見えるのは、スマートスピーカーをきっかけにしたIoTの一般化がタイミング良く生じた結果だろう」

 キャリア大手3社の中でスマートホーム事業の“後発”を自認しながらも、スマートスピーカーの普及やIoTの認知拡大を追い風に、本格化の動きを見せるKDDI。今後、どのような戦略でスマートホーム事業に挑むのか注目したい。