
世界で「接合革命」が起きている。軽量化や材料の多様化により、これまでの溶接から接着剤への置き換えや併用が進んでいるのだ。けん引するのは、自動車の車体を接着剤で接合する「構造接着」技術。先行する欧米企業は、一層の軽量化のために接着剤の使いこなしに積極的だ。これに対し、日本企業は鋼と溶接の依存度が高く、新たな構造用接着剤のノウハウの確立で欧米の後塵を拝している。
だが、日本では優れた構造用接着剤が続々と誕生している。設計者などのユーザーがこれまでの接合の常識を替え、設計を変えることで周回遅れからの挽回は十分に可能だ。
「接合革命」で何が起きているのかを、産業技術総合研究所(産総研)接着・界面現象研究ラボ研究ラボ長であり、東京工業大学科学技術創成研究院准教授の佐藤千明氏に聞く。続いて、新たに構造用接着剤を開発した日本の接着剤メーカー3社に、技術の優位性を寄稿してもらう。