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2019年はAMDがインテルをリード

 2019年はAMDのEPYCがインテルのXeonに対して性能面で優位となりそうだ。AMDは2018年11月6日の記者発表会で、「Zen2」アーキテクチャーを採用した次期EPYC「ROME(開発コード名)」を2019年に投入することを明らかにした。ROMEは半導体受託製造(ファウンドリー)大手、台湾積体電路製造(TSMC)の7nm(ナノメートル、ナノは10億分の1)半導体製造プロセスで製造する。AMDのリサ・スー(Lisa Su)社長兼CEO(最高経営責任者)は「世界で初めて7nmで製造されるデータセンター用CPUだ」と強調した。

次期EPYCを掲げるAMDのスー社長兼CEO
次期EPYCを掲げるAMDのスー社長兼CEO
出所:米AMD
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 ROMEのコア数は最大64コアで、スレッド数は最大128スレッドとなる。現行のEPYCに比べてソケット当たりのコア数は2倍となり、消費電力当たりの性能は1.25倍に向上するという。現行のEPYCは14nmプロセスで製造しており、7nmプロセスに移行することでコア数と消費電力効率を順調に向上させることになる。

 一方のインテルも2018年11月4日(米国時間)、2019年に市場投入する新しいXeon「Cascade Lake Advanced Performance(開発コード名、以下Cascade Lake AP)」を発表した。だが、製造プロセスは現状の14nmのまま。Cascade Lake APのコア数は最大48コアであり、次期EPYCの64コアに及ばない。

 さらにインテルは2019年中に新プロセッサ「Cooper Lake(開発コード名)」を投入する方針を打ち出したが、こちらも製造プロセスは14nmである。2019年はAMDが製造プロセスや最大コア数でインテルをリードすることになる。

 インテルは2018年7月、10nmの半導体製造プロセスへの移行を2019年末に遅らせると公表した。10nmプロセスへの移行は当初、2017年までに完了するはずだった。AMDのEPYCは本来、インテルが10nmプロセスで製造した新しいXeonとも戦わなければならなかったが、競争相手がいなくなるのだ。

割を食ったグローバルファウンドリーズ

 AMDが製造プロセスでインテルをリードできるようになったのは、使用するファウンドリーを従来の米グローバルファウンドリーズ(GLOBALFOUNDRIES)からTSMCに切り替えるからだ。この影響をもろに受けたのがグローバルファウンドリーズだ。

 AMDの半導体製造部門が2008年に分社化して設立された同社は2018年8月末、7nmプロセス技術の開発の無期限延期や技術陣のリストラを発表した。7nmプロセスの有力な顧客となるはずだったAMDを失ったためとみられる。

 グローバルファウンドリーズは2014年にIBMの半導体事業を買収している。7nmプロセス技術はもともと、IBMが開発していたものだった。AMDとIBMの技術を継承する名門がプロセス技術の微細化競争から脱落することになった。