
「ITシステム」分野で2018年に最も多くの読者の関心を集めた記事は、「[特報]日本最大のIT企業が誕生へ、NTTが国内外のIT事業統括会社を新設」だった。日経コンピュータの取材で明らかになったスクープ記事である。日本最大のITサービス会社の誕生を報じる記事とあって、その注目度は極めて高かった。スクープの3日後に掲載した解説記事「『水と油』の融合が課題、NTTが日本最大の新IT会社」も12位にランクインしている。IT業界に大きなインパクトを与えたニュースだった。
2位には「破綻後最大の負の遺産、JAL植木会長が初めて明かした事実」がランクイン。日本航空(JAL)の植木義晴会長(インタビュー当時は社長)が、50年以上使い続けた予約・発券システムの全面刷新についてその内幕を語った記事だ。植木会長自身が「破綻後最大の遺産」と話すシステムの刷新プロジェクトがどう進められたのかは、システム開発に携わる多くのITエンジニアの興味を引いた。
トップ3には入らなかったものの、みずほ銀行の勘定系システム統合に関する記事がトップ20に3本ランクインしたことにも注目したい。5位「苦節16年みずほ銀行の勘定系統合、6月に移行開始」、6位「みずほ銀行、勘定系システム移行の成否を占う」、11位「平成とともに終わる、みずほ銀システム統合の特需」の3本である。4000億円を超す巨費を投じた世界最大級のシステム刷新・統合プロジェクトがいよいよ最終段階に入ったとあって、その成否はIT業界の誰もが気になる話題のはずだ。2019年度上期に予定する移行完了まで、引き続き多くの関心を集めそうだ。