新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で猛威を振るっている。医療機器の供給を支援する立場の自分にも、何かできることはないかと考えてみた。思いついたのが呼吸器疾患を比較的簡易な方法でチェックできる「パルスオキシメータ」の活用だ。体温計と併用すれば、新型コロナウイルスへの感染のスクリーニングに役立つのではないだろうか。
新型コロナウイルスへの感染をスクリーニングする手段として、初期症状としての体温チェックと、患者が感じる「だるさ」という主観的な基準に頼っているのが世界の現状だ。日本では「体温37.5℃以上が4日間連続しているケース」という判定基準を設けている。
果たしてスクリーニングには、体温とだるさのチェックだけで十分だろうか。新型コロナウイルスに起因する疾病は、肺などの呼吸器系を侵すことが分かっている。体温とだるさだけで呼吸器疾患を見抜くことは難しく、基礎データとしてその根拠になり得ないと考える。
そこで思いついたのが、呼吸器疾患を比較的簡易な方法でチェックできるパルスオキシメータの存在だ。40年以上も前に日本で発明されたこの装置は、現在では小型化、無線化などが進み、医療の現場で広く使われる存在になった。