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 新型コロナウイルス感染症への対策のため、ワクチンをはじめとする医薬品や医療材料、医療機器などの供給体制が課題になっている。医療機器の中でも特に欧米などで不足が報じられているのが、人工呼吸器とECMO(人工心肺装置)だ。有効なワクチンや特効薬の早期供給が難しい現状では、対症療法としての肺炎治療に欠かせない存在になっている。

日本製の人工呼吸器「ALV3000」
日本製の人工呼吸器「ALV3000」
(出所:アイビジョン)
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 人工呼吸器が不足した欧米では、「昔の手動装置を人海戦術で利用」「動物用の人工呼吸器を消毒して流用」「シュノーケルを改造」といったニュースが流れている。日本では医薬品医療機器等法(薬機法)に抵触する可能性があるこれらの対策に頼らざるを得ないほど厳しい状況にあることが分かる。米国ではトランプ大統領が、自動車メーカーの米ゼネラル・モーターズ(GM)に人工呼吸器の生産を命じたほどだ。

 現在の日本の実情はどうだろうか。人工呼吸器について調べてみると、その多くを輸入に頼っている現状が浮き彫りになった。小児用や動物用、マスクタイプなどの特殊な用途に限れば国産品も散見されるが、本格的な人工呼吸器メーカーとなると、アイビジョンなど少数のみというのが実態のようだ。つまり、それ以外の日本にある人工呼吸器は、医療機器メーカーなどが海外メーカーから輸入したものである。