医療機器開発の潮流が大きく変わりつつある。市場で必要とされる医療機器が多様化していると同時に、これまで同分野にかかわってこなかった企業の積極的な参入も求められている。医療機器の最新トレンドについて、同分野の専門家である久保田氏が分かりやすくお伝えする。
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ケイ・アンド・ケイジャパン 代表取締役社長(医工連携推進機構 理事)

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パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器だけでなく、家電製品を含めたさまざまな製品に無線通信機能が搭載されてきている。医療機器や健康機器などにおける無線通信の利用も増えてきた。オムロンヘルスケア(京都府向日市)が2021年3月に発売した体温計「MC-6800B けんおんくん」もその1つ。2021…
2022年6月に開催された「BioEM2022」(生体電磁場の影響に関する学会)で、電気磁気治療器の効果についての発表があった。電気磁気治療器は、筋肉系や骨格系、神経系の疾患・疲労を非侵襲的に回復する目的で使用されている。基本原理は「生体に磁場をかけて血行を良くし、コリや痛みを取り去る」というもの…
2022年3月、CureApp(東京・中央)が“治療用”のソフトウエア(以下、治療用アプリ)として申請していた「高血圧治療補助アプリ(CureApp HT)」の承認取得がの内定発表された。同社は2020年8月に日本で初の「ニコチン依存症治療アプリ(CureApp SC、略称:禁煙アプリ)」を承認取…
血中酸素飽和度と脈拍数をモニタリングできる医療機器「パルスオキシメータ」は、新型コロナウイルス感染症の患者に対する使用指針が示されるなど、臨床用機器としての重要性が世界で認められるようになってきた。その開発には故・青柳卓雄氏の発明があったことは、以前紹介した通りである。
心電図アプリが日本で使えるようになった2021年1月27日、厚生労働省から各都道府県衛生主管部宛ての通知が発出された。
米Appleが発表した「Apple Watch Series 6」は、日本の医療・ウエルネス(健康)産業に多くの示唆を与えてれくれた。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者のスクリーニングや治療に向けて、複数の医療機器が活躍している。最近になって、後者の重症患者の治療向け機器として「血液凝固分析装置」が注目されるようになった。
米アップル(Apple)の日本における医療機器外国製造業者認定の登録(認定番号登録 BG30403315)が完了した。医薬品医療機器総合機構(PMDA)のWebサイト「外国製造業者認定・登録番号の公表」によれば、2020年5月25日付けで「Apple Inc.」として登録されている。
2020年4月初旬、厚生労働省から医療機関に向けて、新型コロナウイルス感染症の軽症者を対象に「体温計」に加えて「パルスオキシメータ」を使うための指針が示された。
2020年4月中旬の朝、電話での訃報に言葉を失った。「そうですか」とだけ返答したのを覚えている。その後に何を話したのかを思い出せない。青柳卓雄博士との出会いから、同じ部署に所属していた時代、さらに今日に至るまでの交流など、次から次へと記憶が脳裏によみがえってきた。
医療施設や医療スタッフ、医薬品、医療材料、医療機器などが不足する事態に陥っている。今回は不足が伝えられる医療機器の1つである、人工呼吸器の安定供給策について考えてみたい。
世界初となる「レーザ網膜走査型眼鏡」が、医薬品医療機器総合機構(PMDA)から新医療機器として承認を取得した。日本のベンチャー企業のQDレーザが開発したものだ。眼鏡でもコンタクトレンズでもない第3の「視力補正機器」が日本で誕生した。
新型コロナウイルス感染症への対策のため、ワクチンをはじめとする医薬品や医療材料、医療機器などの供給体制が課題になっている。医療機器の中でも特に欧米などで不足が報じられているのが、人工呼吸器とECMO(人工心肺装置)だ。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で猛威を振るっている。医療機器の供給を支援する立場の自分にも、何かできることはないかと考えてみた。思いついたのが呼吸器疾患を比較的簡易な方法でチェックできる「パルスオキシメータ」の活用だ。
日本の医療機器産業が欧米の後じんを拝している現況は、今に始まったことではない。特に治療関連機器の開発や商品化の遅れが指摘されている。顕著な例としては、心臓ペースメーカをはじめとする循環器用治療機器や、「da Vinci Surgical System」(ダビンチ)に代表される手術支援ロボットなどが…
久しぶりに訪問した麻酔博物館(神戸市)で、新しい展示パネルにパルスオキシメータの「発明者は日本人、青柳卓雄」の文字が躍っていた。パネルには、パルスオキシメータの生みの親たちの功績が凝縮されていた。
航空機に医療機器が搭載され「空を飛ぶ」ようになったのは、1998年に遡る。日本航空がAED(自動体外式除細動器)の搭載テストを開始した。これが後に、公共機関や交通機関、企業、ショッピングセンターといった人の集まる場所にAEDが導入されるきっかけを作ったと言っていいだろう。
医療機器開発の基礎を学ぶ教科書
書籍「医用工学概論」(嶋津秀昭、中島章夫編)が、日本医療機器学会の平成30年度 著述賞を受賞することになった。
「かぶれない電極」に文部科学大臣表彰・科学技術賞
医療機器の開発については、最先端と称される高機能・高性能機器に使われる技術に注目が集まる。新技術というのは、これまでにない高度で想像を超えたもの、という先入観があるからだ。
前回のコラムで、医療機器の第三者認証が急速に減少している実態をリポートした。今回は、認証機器の中で最大数を占めるパルスオキシメーターを例に、制度自体が抱える問題点について考えてみたい。