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 埼玉県が熊谷市玉作地区で2016~17年度に実施した橋の耐震補強で、設計時に変位制限構造の設置位置を誤った。地震時に落橋を防ぐ機能を果たせない恐れがあるばかりか、既存の支承にも悪影響を及ぼす状態になっていた。

 ミスがあったのは、1973年に建設された橋長66.6m、幅員7.5mの玉作橋。地震の際などに、橋台・橋脚(以下、橋台など)と橋桁との間のずれが大きくならないように、支承と補完し合って動きを制限するタイプの変位制限構造を12個設置した。

変位制限構造と設計遊間量
変位制限構造と設計遊間量
(資料:会計検査院)
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 この変位制限構造は、橋桁に固定された連結材に設けた穴を、橋台などの橋座部に垂直に打ち込んだアンカーボルトなどが貫く方式だ。連結材の穴はアンカーボルトなどの直径よりもやや大きく「遊び」があるので、地震や温度変化による収縮で生じる両者のずれに対応しながら、ずれが大きくなり過ぎるのを抑える。

 日本道路協会の「道路橋示方書・同解説」は、支承の機能確保について以下のように規定している。

 支承には、上部構造と下部構造の間に生じる水平方向の変位に追従するため、移動や回転をする機能がある。変位制限構造は、こうした支承の機能を損なわない構造とする。そのため、アンカーボルトなどと連結材との間の「設計遊間量」は、設置誤差などを勘案した余裕量15mmに、支承の移動量を加えた長さ以上の量を確保する。