Webアクセスの新しい通信プロトコル「HTTP/3」が登場した。従来のHTTPよりもWebアクセスを劇的に効率化する。HTTP/3が登場した背景やその仕組みを解説する。
TCPを捨ててUDPとQUICを採用したHTTP/3。
HTTP/3はQUICを採用することで従来のHTTPよりも様々な点が改善されている。ここからはHTTP/3のそれぞれの利点を見ていこう。
まず、接続開始時の遅延が小さい点だ。HTTP/3ではTCPを使わないため、3ウエイハンドシェークが存在しない。TLS 1.3のハンドシェークを使って通信を始める。このためハンドシェークの直後から暗号通信できる。
さらに、いったん通信した相手に再び接続する際には、TLS 1.3の0-RTTという機能を利用してハンドシェークなしで通信を開始できる。そもそも0-RTTはグーグル版QUICが搭載していた機能であり、これがTLS 1.3にも採用されたという経緯がある。
このようにハンドシェークにかかる時間を大幅に削減し、従来のHTTPよりも接続開始時の遅延を抑えている。