2018年に大きな話題を集めた「バーチャルYouTuber(VTuber)」。主に動画配信サイトで活動する、イラストや3DCGで表現されたキャラクターだ。その数は2018年12月時点で6000人を超えるほどの盛り上がりを見せている。アニメ風のキャラクターが生身の人間のように活動する姿は、一見限られたファン層向けのコンテンツのようにも見える。しかし、これからのVTuberは、いわゆる“オタク向けコンテンツ”を超えた可能性を持つ存在になっていきそうだ。その可能性と今後の展望のポイントを、日経 xTECHのバーチャル記者「黒須もあ(β)」が識者へのインタビューをふまえて動画で解説した。(日経 xTECH編集部)
こんにちは、日経 xTECH新人記者の黒須もあ(β)です。最近、「VTuber(バーチャルYouTuber)」が何かと話題です。2018年はVTuberがテレビ番組や企業とのタイアップCMに出演するなど、様々な場での活躍を見せた1年でした。
これからのVTuberはどのように進化していくのでしょうか。今回、私は「2019年、VTuberはこうなる!」というテーマで専門家に取材しました。お話を聞いたのは、2015年にDeNAから分社化した動画配信サービス企業SHOWROOM(東京都渋谷区)でCTO(最高技術責任者)を務める佐々木康伸氏。同社は2018年、VTuberオーディションの開催や、VTuber関連技術・サービスを展開して話題を集めました。現在のVTuberムーブメントの主役企業の1つと言えるでしょう。
VTuberはもともと、2016年12月に「バーチャルYouTuber」としてタレント活動を始めた「キズナアイ」さんなど、動画配信サイトで活動するバーチャルキャラクターのことを意味していました。今、VTuberの世界では、この語源を根底から揺るがすような変革が起こっています。「バーチャルな動画配信者」という元々の役割を超えて、リアルの世界にまで進出し始めているのです。
例えば2019年1月2日にNHKが放映した番組「NHKバーチャルのど自慢」では、出場者は全員VTuber、会場の仮想空間から全国のお茶の間にテレビ放送という過去にない構成でした。番組に出演したのは、キズナアイさんをはじめ、「電脳少女シロ」さん、「ミライアカリ」さん、「バーチャルゴリラ」さんといった人気VTuberの皆さん。おなじみの「のど自慢」と同じように、十八番の1曲を披露したり、司会を務める小田切アナウンサーと歓談したりしていました。
この他にも、「バーチャルアナウンサー」「バーチャル建築家」「バーチャル精神科医」と名乗るVTuberが続々と登場しています。2019年、VTuberが活躍する場は、さらに広がっていきそうです。
動画では佐々木氏へのインタビュー取材のエッセンスをまとめました。話題となった「VTuberの”中の人”オーディション」を開催した意図など、佐々木氏へのさまざまな質問の答えは、以下のインタビュー記事に別途まとめました。併せてお楽しみ下さい。