「協働ロボット」の新しい用途として工場やオフィスなどの現場で導入が進む「ゆるロボ」。その名称とは裏腹に、全然”ゆるくない”高度な技術が使われています。そんなゆるロボの数々をピックアップして、日経クロステック編集部のバーチャル記者「黒須もあ(β)」が動画で紹介します。(日経クロステック編集部)
こんにちは、日経クロステック新人記者の黒須もあ(β)です。今回のテーマは、ずばり「ゆるロボ」。工場などで人間と一緒に働く「協働ロボット」の一種で、特に「すき間仕事」を任されるロボットのことです!このゆるロボが、新しいロボット活用法として工場やオフィスで使われ始めているんです!
ゆるロボが任される仕事は「人間でもできる簡単な仕事」です。部品を箱に入れたり装置にセットしたり、たくさんの書類にハンコを押したりという作業も、ゆるロボのお仕事になります。そんなゆるロボの中から、今回は以下の4つをピックアップして動画で紹介します。
- 実は使えるはんこロボ、オフィスの自動化・効率化を実現
- 組み立てから検査まで、「ゆるロボ」3台で実現
- 14万円の「ゆるロボ」で、すきま作業を自動化
- 「犬型」の4足歩行ロボで、工事現場の危険箇所を自動点検
実は使えるはんこロボ、オフィスの自動化・効率化を実現
そもそも、工場&ロボットといえば、完全自動化が思い浮かぶかもしれません。しかし、ゆるロボが目指すのは完全自動化ではありません。単純作業を「部分的でいいので自動化する」といった割り切った発想で、導入事例やシステム提案が増えているんです!
「単純作業の部分的な自動化」の代表例とも言えるのが、ハンコの押印作業です。そこに登場したのが、デンソーウェーブや日立システムズなどが開発した「RPA&COBOTTA オフィス向け自動化支援」、通称「はんこロボット」です。2019年末の「国際ロボット展」でひときわ注目を集めました。
はんこロボには、デンソーウェーブの小型ロボット「COBOTTA」を2台使われています。この2台を連携させて動かし、ストッカーから書類を1枚ずつ取り出して正しい位置にセットして、ハンコを朱肉に押し付けたあと、決められた場所に押印し、ハンコを押した書類をスキャンして記録、さらには、次の書類を取り出す前になつ印済みの書類を別のストッカーに移す、といった動きを全自動でこなします!
契約書類などに使われる薄い紙でも、空気の力を使って1枚ずつきちんとハンドリングできるなど、ハンコロボは実はハイテクの塊です。技術的にはぜんぜんゆるくないのです!
「犬型」の4足歩行ロボで、工事現場の危険箇所を自動点検
工場やオフィスだけではなく、土木や建設の現場でも「なるべくならロボットに任せたい」という、微妙な作業があります。例えば、トンネル内の見回り巡回や、現場の写真撮影、簡単な機器点検などです。
鹿島は2019年12月、米ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)の4足歩行型ロボット「Spot」を土木工事現場に導入しました。頭部に360度カメラを搭載する他、現場となるトンネル内の路盤などを歩けるよう、路盤によって歩行パターンを変えるなどのカスタマイズが施されています。
実証試験では、360度カメラを搭載したSpotを制御室から遠隔操作し、トンネル掘削の先頭部の写真撮影や、ポンプメーターなどの計器点検などの単純作業をさせました。障害物を自動で回避するので、作業者と衝突する危険も極めて低く、省人化を進める上でも活用できます!
人手不足の昨今、少しでも危険を伴ったり、面倒だったりする作業をロボットが代替してくれる意義は大きいと考えられています。「楽しくワクワクする現場を作りたい」という考えもあって、業界の活性化のためにも、今後、ロボット適用範囲を広げていく考えだそうです!
それでは最後に…
最後の締めに、いつものあれ、お願いします。クロステーック!!!