要素技術の研究開発が進み、サービスの実証実験などが活発になっている「アバターロボット」。人手不足に直面している業界で活用が広がっているほか、観光や教育、趣味など日常生活の多くでも“距離”が消えるとして注目されています。2030年には、アバターで「瞬間移動」が当たり前になっているかもしれません。そんなアバターロボットについて、日経クロステック編集部のバーチャル記者「黒須もあ(β)」が動画で解説します。(日経クロステック編集部)
こんにちは、日経クロステック新人記者の黒須もあ(β)です。皆さん、在宅ワークやテレカンファレンスの動きが広がって、働き方や生活が変わっている人も多いのではないでしょうか。この流れが今後も進んでいくと、世の中はどんな風に変化するのでしょう?そのカギとなるのは「アバターロボット」です!本日は、2030年の未来予想図を少しだけ、動画で解説したいと思います!
アバターロボットの本質は「意識・技能・存在感の瞬間移動」にあります!単にインターネットを介して遠隔地の映像を見るのとは違います。人が遠隔から操縦できるロボットを使うことで人の意識や技能、存在感を離れた場所に瞬間移動させる、まさに分身を創り出すかのようなロボットです。視覚や聴覚だけでなく、ロボットが触った感触を遠隔地で得るための触覚グローブなども開発されています。
「瞬間移動」で世界を飛び回るAさんの1日
2030年の未来を、ある1人の会社員の1日を通して見てみましょう。日本の大手電機メーカーの研究部門に勤めるAさんはプロジェクトのキーパーソンであるBさんに会うため、フランスのパリにいます。アバターロボットが普及していても、重要な要件であればわざわざ出向くことも必要なのです。ここから、日本やインド、米国などを飛び回ります。
朝、日本の自宅にいる5歳の子どもから「遊んで!」と起こされたAさんは、自宅に置かれたアバターロボットに入って、子どもとおいかけっこを楽しんでいます。
ひとしきり遊んで子どもが満足したあと、Bさんのところに出向く前に、インド・ムンバイ拠点の午後の会議に、アバターロボットで参加し始めました。会議でプレゼンをする部下の様子を見守ります。
次はフランスの現地で、Bさんと対面でミーティングです!Bさんとの交渉は大成功。その後Bさんに誘われて、英国拠点との技術ミーティングに参加しました。遠隔にいるエンジニアがアバターロボット経由で、今回のプロジェクトに採用予定の新技術をデモしてくれます。
プロジェクトの成功が見えてきたところで、Aさんは自分へのご褒美を考えます。アメリカ・ニューヨークにあるアバターロボットに入って、お気に入りのお店で買い物をしました。こうして、2030年のAさんのとある1日が終わります。
実用が始まるアバターロボット
アバターロボットは、仕事だけではなくショッピングや観光などの分野にも新しい体験をもたらします。ANAホールディングス(HD)は2019年12月、三越伊勢丹と「avatar-in store」を期間限定でオープンしました。
顧客はネット越しにアバターロボットへ入り、店員とコミュニケーションを取りながら買い物する、ネットショッピングと実店舗でのショッピングの融合形です。実は、実店舗よりも顧客と店員のコミュニケーションが深まり、購買率が高かったんだそうです!
ANAHDとBリーグは、アバターロボットを活用したスポーツ指導も実施しています。遠隔地に居るコーチがアバターを通じてチームの練習を指揮する、というものです。遠隔地にいながらネットワーク越しでカヤックを体験できる「カヤックロボット」というのも、スタートアップのH2Lが開発しています。
アバターロボットは将来、「社会インフラ」として様々な場所に設置されていきそうです。その際に有望視されるビジネスが「アバター版のUber」!高価なアバターを利用者でシェアリングし、1人あたりの負担を小さくして使うサービスが予想されています。
それでは最後に…
最後の締めに、いつものあれ、お願いします。クロステーック!!!