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 2020年に創業100年を迎えたマツダ。年間売上高3兆円超、従業員数も約5万人を抱える大企業ですが、実は世界シェアはわずか2%と自動車産業の中では大きな存在ではなく、「業界のスモールプレーヤー」とマツダは自らを称しています。そんなマツダが、世界との戦いを勝ち抜く原動力の1つになっている「魂動デザイン」を実現する生産技術を、日経クロステック編集部のバーチャル記者「黒須もあ」が動画で紹介します。(日経クロステック編集部)

【解説動画】小さな自動車メーカー!マツダのすごい生産技術【黒須もあ】
【解説動画】小さな自動車メーカー!マツダのすごい生産技術【黒須もあ】
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 こんにちは、日経クロステック記者の黒須もあです。今回は、「業界のスモールプレーヤー」と自ら称する自動車メーカーのマツダを取り上げます!2020年に創業100年を迎えたマツダは、年間売上高3兆円超、従業員数も約5万人を抱える大企業ですが、実は世界シェアはわずか2%で、世界の自動車メーカーの中では決して大きな存在ではありません。そんな小さな自動車メーカーであるマツダが、世界の自動車業界の競争で勝ち抜く原動力の1つである「すごい生産技術」を動画で解説していきます!

 マツダが厳しい世界での競争を勝ち抜いていくためには「良い商品を十分にラインアップし低コストで提供する」という製造業の基本を徹底しなければなりません。それを実現する1つの武器が、マツダが誇る「魂動(こどう)デザイン」!同社のデザイナーが試行錯誤の末に見出した「生命観を形にする」というデザインコンセプトです。

 そのデザインの特徴の1つは、クルマ全体で表現する複雑で微妙な曲面の美しさ、だそうです。でも、これを実際のクルマで正確に表現するのはとても難しいのです。なぜなら、コストを下げるために、生産の効率性を優先すると、デザインの美しさや微妙な曲面の再現が犠牲になりがちだからです。

2019年発売の新型SUV「CX-30」は、もちろん「魂動デザイン」を採用しています!
2019年発売の新型SUV「CX-30」は、もちろん「魂動デザイン」を採用しています!
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 そこでマツダが始めたのが、「御神体(ごしんたい)活動」。デザイナーが望んでいる形状を現場の生産技術者が理解し、さらに高い効率で生産するための技術を開発する、デザイナーと生産技術者の共創活動のことです。ここで目指す技術をマツダは「マスクラフトマンシップ」と呼んでいます。高度な職人技を量産化するという意味で、現在のマツダの生産技術における大きなテーマとなっています。

 御神体活動の成果の1つに、「御神体モデル」があります。まずデザイナーが「魂動デザイン」で使いたい曲面を組み合わせて、複雑な粘土のクレイモデルを作ります。これを3次元計測した上で3Dデータ化にして鋳物を造り、さらに工作機械を使った切削加工と手作業による磨きで仕上げて、クレイモデルの複雑な曲面の形状を完全に再現しました。

これが「御神体モデル」です!
これが「御神体モデル」です!
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 このようにして、デザイナーの意図する形状の再現に必要な技術的な課題を洗い出し、1つ1つ解決していきました。そして開発されたのが、「魂動削り」や「魂動磨き」と呼ばれる金型の製作技術です。

 「魂動削り」は、切削加工の精度と加工速度を同時に引き上げました。曲面の形状を表す特徴線に沿った軌跡で等ピッチに工具を動かして切削します。この方法により、切削速度は1.4倍に向上し、削る途中に工具がブレて精度が悪化する課題も同時に解決しました。マツダはこの成果を得ても改良を続け、現在は魂動削りをさらに改良した「魂動削りⅡ」が使われています!

 こうして切削加工した金型を仕上げるのが、手作業による「魂動磨き」です。「研削量の最小化」をコンセプトに掲げて技術を作り上げました。魂動磨きの特徴は、砥石を動かす向きです。特徴線に向かって直角に砥石を動かすことで、デザイナーが意図した表面の微妙な変化を残したまま磨けるようになりました。ちなみに現在は、魂動磨きを改良した「魂動磨きⅡ」になっているそうです!

これが「魂動磨きⅡ」で磨き上げた金型です!曲面を確認するゼブラライトを当てると、複雑な曲面がきれいに仕上がっているのが分かります!
これが「魂動磨きⅡ」で磨き上げた金型です!曲面を確認するゼブラライトを当てると、複雑な曲面がきれいに仕上がっているのが分かります!
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 金型製作以外にも、マツダは新たに「フレキシブルモジュールライン」という新しいコンセプトに基づく車体生産ラインを導入しました。フレキシブルモジュールラインがすごいのは、複数の異なる車種の混流生産ができるだけでなく、将来に設計が大きく異なる新型車が登場しても、ラインに大幅な改造を施さずに対応できることです。具体的には、メインの車体生産ラインの構成は固定したまま、3つの「モジュール」を適宜組み込むことでライン全体の汎用性を高めるというのがフレキシブルモジュールラインの構想です。

 3つのモジュールとは、「汎用セルモジュール」、「治具モジュール」、「工程モジュール」です。これらを活用して、車種や部品ごとに異なる治具モジュールをロボットに取り付けて加工工程を変えられるようにしたり、工程モジュールを用いてメインラインの途中から迂回するバイパス工程を作ったりします。既存の車体生産ラインを完全に撤去する必要がなく、それらを生かしながら複数の車種に柔軟に対応できるようになるのです!

マツダは今後「フレキシブルモジュールライン」を世界の工場に全面展開していく考えです!
マツダは今後「フレキシブルモジュールライン」を世界の工場に全面展開していく考えです!
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それでは最後に…

 最後の締めに、いつものあれ、お願いします。クロステーック!!!

いつものあれ、いっしょにお願いします。「クロステーック!!!」
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