米Microsoft(マイクロソフト)が2020年11月10日に発売した次世代ゲーム機「Xbox series X」。その直方体の本体内部には、高価な部品や独特な構造が詰め込まれており、「マイクロソフト流」とも言えるこだわりの設計が見えてきました。そんなXbox Series Xを分解して、日経クロステック編集部のバーチャル記者「黒須もあ」が動画で紹介します。(日経クロステック編集部)
こんにちは、日経クロステック記者の黒須もあです。今回は、米Microsoft(マイクロソフト)が2020年11月10日に発売した次世代ゲーム機「Xbox series X」を分解しました!同時期に発売された米Sony Interactive Entertainment(SIE、ソニー・インタラクティブエンタテインメント)の「PlayStation 5」の直接のライバルとなる製品で、性能面でも真っ向勝負しています。では中身がどうなっているか、さっそく見ていきましょう!
直方体にぎっしり収められた内部ユニット!
Xbox Series Xは、横から見ると縦長の長方形で、上から見ると正方形な、きれいな直方体です。天面はたくさんの穴が開いている排気口になっていて、底面や背面から空気を吸い込んでプロセッサーなどを冷却し天面の排気口から排出するエアフローになっています。
蓋を開けて中をのぞいてみると、ぎっしりと部品が詰め込まれています!上部に空冷用の冷却ファン、その下は縦に3つの層に分かれています。手前側には電源ユニットと光学(Blu-ray)ドライブ、真ん中にはメイン基板がありそうです。電源ユニットの反対、写真奥側には大きなヒートシンクが見えます。まず冷却ファンを取り外してから回路ユニットを取り出します。Xbox Series Xの冷却ファンはケースの天面とほぼ同じ大きさで、直径は約130mmと大きいのです。軸流型と呼ばれる方式で、ファンの回転軸方向に風を送る扇風機のような役割を持ち、ケースの下側から上向きに空気を吸い出す気流を作ります。取り出した回路ユニットは、電源ユニット、基板を固定するアルミダイカストのフレーム、ヒートシンクが一体になっていて、ネジで固定するだけでなくゴムバンドで1つにくくられていました!
こだわりの「X(エックス)印」!
それでは一塊になっていた回路ユニットをバラバラにしていきます。電源ユニットを取り外すと、メイン基板やサブ基板が現れます。これらは、アルミダイカストのしっかりとしたフレームに固定されていました。メイン基板を取り出すと、「X(エックス)」の文字が浮き出た大きなシールドケースが基板の半分以上を覆っています。「X」好きの私は、なんだかワクワクしてきました!
Xの文字が浮き出ているシールドを外すと、中にはなんとX形の板バネが! またもや「X」! このこだわりにはしびれますね! この板バネは、ヒートシンクとメイン基板を固定しています。メインプロセッサーとヒートシンクをしっかり密着させ、熱暴走したりするのを防ぐ役割を担っているんだそうです。
最後に、ヒートシンクを詳しく見てみましょう。このヒートシンクは「ベーパーチャンバー」と呼ばれるタイプなんです。内部に液体が入っていて、熱を受けて蒸発し、冷えて液体に戻るプロセスを繰り返すことで、素早く熱を逃がします。とても高価な部品なんですが、安価なヒートパイプを複数使うよりも小型で放熱性能を高められるといいます。Xbox Series Xはそれだけ放熱設計が重要だったんですね!
それでは最後に…
最後の締めに、いつものあれ、お願いします。クロステーック!!!