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コンサルティングファームではポテンシャル採用も

 データ活用の取り組みは、幅広い業界で活発です。タクシー配車、ローンの与信、病気の診断、発電効率の向上など、用途は多岐にわたります。こうした多種多様な業界で、AI人材の採用が活発です。特に、データをビジネスに活用した実績を持つ経験者を求める傾向が顕著です。

 一方で、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するコンサルティングファームも採用意欲が旺盛です。特徴的なのは、AI関連の経験がなくてもポテンシャルを重視した採用を行っていることです。

 評価されるのは、データベースシステム開発、Webマーケティング、ネットリサーチなどの経験。「ファクトを収集し、分析・推測する」スキルを持つ人が、コンサルティング業界に転身し、デジタル戦略に携わっています。

 AIや機械学習に興味を持ち、自宅で個人的にシステム開発をしているといった人も歓迎されます。新しい技術を意欲的に習得する姿勢や能力が評価されるからです。デジタルトランスフォーメーションの推進は現場を大きく変革するケースも多いため、さまざまな部署とのコミュニケーション力、折衝力や柔軟性なども、重視されるポイントです。

 もちろん、もともとデータ活用の経験を持つ人にとっては、転職先の選択肢はさらに豊富です。ある40代のデータサイエンティストは、金融、IT、流通、情報サービスなどでデータを活用したサービス開発や事業変革を手掛けた後、「世界最先端の事例を取り入れつつ、データサイエンティストとしてレベルアップしたい」と、グローバルコンサルティングファームに転職。年収も大幅にアップしました。

 この人は、データサイエンティストのスキルを保有しながら、他部署と折衝できる柔軟なコミュニケーションスキルを持っていました。ITを使って実際のビジネスがどのように効率化・自動化されていくかを企画・設計することも得意で、そうしたスキルも歓迎されました。

 このように、「データとビジネスをつなぐ」という能力や経験は、今後しばらく転職市場で高い価値を発揮するでしょう。