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第二新卒と呼ばれる若手の転職市場が伸びている。背景には企業側の人材ニーズの高まりのほか、新卒時の就職活動を新型コロナウイルス禍に直撃された現在25歳以下の人材特有の事情もありそうだ。どんな人材が求められているのか、リクルートでIT関連の第二新卒転職支援を手掛ける須藤佐和子氏が解説する。

 新卒で就業してから3年以内に転職する、いわゆる第二新卒と呼ばれる人材の転職事情に変化が出ています。人材ニーズの高騰を受け、企業側の若手採用のハードルが低くなっているのです。

 近年、20代の中途採用の数は拡大傾向にあります。特にITエンジニアの転職市場では人材不足が著しいため、若手採用の条件が緩和傾向にあるのです。

 従来はある程度の業界経験を積んだ20代後半から30代初めの人材を求める企業が多かったのですが、昨今ではエンジニア人材のニーズが高まり、この世代の採用は簡単ではありません。そのため、より経験の浅い第二新卒の採用を増やし、積極的に育成する企業が増えているのです。

新卒時の就職先を見直す人が増加

 第二新卒の転職が活況な背景には、企業側のニーズの高まりだけでなくコロナ禍の影響もあります。現在の第二新卒は、コロナ禍の初期に新卒時の就職活動をせざるを得なかった世代です。この頃は一時的に採用を抑制する業界もあったため、新卒時の就職活動は簡単ではありませんでした。選択肢が少ないなか、「とにかく仕事をしなければ」と考えて第一希望とは異なる業界に就職した人も少なくありません。

 現在は転職市場がやや落ち着き、求人数も増加傾向にあります。そこで改めて今後のキャリアを考え、「もう一度、就職活動をやり直してみてはどうだろう」「新卒時代に第一希望だった業界の求人を見てみよう」と考える若手が増えているのです。

 転職コンサルタントとして筆者が目にしてきた範囲では、第二新卒世代には「成功体験がない」と自分に自信を持てない人もいます。コロナ禍により最初の就職活動などがうまくいかなかった経験から、自身を過小評価する傾向があるのです。しかし実際には先述のように、企業の第二新卒採用のハードルは下がっています。自分の経歴とやりたいことを棚卸ししたうえで面接にチャレンジすれば、チャンスは広がっています。

 企業側は第二新卒採用時に、応募者のどんな点を評価するのでしょう。もちろん、転職先の仕事に合致する経験・実績があれば理想的です。とはいえ第二新卒となると前職での勤務期間も長くないため、経験をアピールするのも難しい人が多いでしょう。その場合、「大学時代の研究内容がコンピューターサイエンスに関係する」といった知識面でのポテンシャルが評価されます。「趣味でアプリケーション開発をしている」など、ITの基礎を自ら進んで学ぶ姿勢も同様です。