全2696文字
PR

解決への処方箋

(作成:日経 xTECH)
(作成:日経 xTECH)
[画像のクリックで拡大表示]

 先述の通り、見える化は異常の見える化と言い換えられる。現場で何かが基準を超えたり、問題だと感じた事象が発生したときには、すぐに必要な対策を取るための取り組みだ。見える化が進んでいるほど異常への気付きが早くなり、速やかな対策実行へとつながる。

 例えば、現場において、ある品質項目の不良が増加傾向にあったとしよう。前日の不具合状況の集計を翌日に完了させ、その時点で「あれ、〇〇不良が多いなぁ」と気づいても、既に問題が起きていたのは前日だ。翌日には現場の諸条件が変わってしまい、原因追求が困難になる可能性もある。

 では、リアルタイムに不良の発生状況が見える化されていればどうだろうか。ここでいう見える化とは、例えば、不良が発生するたびに記録用紙に「正」の字を書く、計数器で数を記録しておく、データが自動的に蓄積されて職場のディスプレイに不良の発生状況が自動表示される、といったことだ。これができている工場では、不良の件数が基準値を超えた時点ですぐに気付くことができる。すると、現場の状況がまだ大きく変わらないうちに、原因調査や対策を開始できる。

 見える化は、次の3つのステップが遂行されて初めて機能する。

ステップ1:文字通りの見える化

 時間や件数、数量など、管理したい項目が、誰かに聞かなければ分からない、あるいは何枚もの記録用紙を探さなくてはならないといった状況ではダメだ。現状はどうだろうかと思い立った人間が、所定の場所を見ればすぐにKPIが把握できるようになる状況をまずつくることだ。

ステップ2:見える化された状況を基に行動が始まる

 これは、見える化を起点にして行動につなげるということだ。例えば、予定よりも時間がかかっていることが分かったら、すぐに問題があるかどうかを確認する。基準よりも不良の件数が多ければ、現場で何が発生しているかを調べる。現場の異常に気付けば、すぐにその問題のある場所に向かい、何が起こっているのか、どうすれば解決できるかを考えるという「行動」を開始することが重要なのである。

ステップ3:行動によって現場の状況が変化したかどうかを確認する

 行動の結果は、現場の変化という形で現れる。行動しても、現場の状況に変化が全くない場合は、その行動が本当に適切だったかどうかを見直す必要がある。理想は、行動することにより、状況が「より良く」変化することだ。だが、仮に対策が逆効果になったとしても、それらの状況の変化をきちんと確認し、必要があればさらに対策を考えて実行すべきである。

(作成:筆者)
(作成:筆者)
[画像のクリックで拡大表示]