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解決への処方箋

(作成:クロステック)
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 工場マネジャーには、「知っているつもり」「できているつもり」、そして「やっているつもり」にならないように、自分自身を客観的に見る視点が必要だ。このような「つもり」に陥ってしまうと、自職場の問題点を客観的に見ることが難しくなり、工場の成長は止まってしまう。

 確かに、これらはその人物の性格によるところも大きいだろう。工場マネジャーを育成する場合は、次のようなことに注意して取り組むことが必要だ。

[1]やっていることの真意を理解させること

 「3つのつもり」になっている理由には、対象となる活動が何を意味しているのか、どのような目的のためにやっているのかについて、正しく理解していないことが考えられる。

 例えば、生産現場において「3現主義を徹底すること」を考えてみると、現場・現物・現実という、製造業における基本的な行動原則は、表現としてはとてもシンプルなもので、容易に理解したつもりになる。実際に、現場に行ってさまざまな改善活動を実践している人間からすると、現場で現物と向き合っているのだから、それをやっていると考えるのは自然なことだ。

 一方、「3現主義の意味するところ」は何か、そして「その目的」は何かと考えると、例えば「客観的な事実を基に状況を判断し、適切な行動を取ることで、現場に課せられた役目を全うできるようにする」といったことが挙げられる。これは、現場で現物を見ればよいという薄っぺらなものではなく、現場の状況を客観的な事実(定量的な数値など)で把握し、その結果を基に行動することが求められる。そのため、客観的なデータを取らずに現場を眺めて、自分の勘と経験、そして度胸(いわゆるKKD)で行動しているのであれば、残念ながら3現主義が適切に行われているとは言い難い。

 このように、「その意味するところ」や「その目的」を正しく理解させなければ、「つもりレベル」の行動にとどまってしまう。

[2]他者からの評価の“物差し”を示すこと

 「3つのつもり」になっている人は、その自己評価を、自分自身の“物差し”で評価している。自分では「自分はできている」と評価していることを、他者からは「あの人は十分にできていない」と評価されている。これこそが「つもり」の実態だ。

 こうした事態を防ぐために、工場マネジャーや次世代の工場マネジャー候補者が客観的に自らの行動の良しあしを正しく評価できる物差しを示すことが重要だ。最も望ましいのは、客観的な数値指標である。「自分としてはかなりできている」といった主観的な評価ではなく、客観的に「あなたの行動は、目標の12点に対して現在7点です」といった具合にイメージできることが望ましい。もちろん、7点とはどういうレベルにあるのか、何ができていて、何ができていないのか、目標のレベルに成長するためには何をすればよいのか、などを明確に示すことが必要なのは言うまでもない。

 数値指標を示すことが難しくても、どのような状態になっていなければならないのか、あるいはどのような行動をとっていなければならないのかといった、工場マネジャーのあるべき姿を示すべきだ。これにより、自分自身を振り返ったときに、到達しているのか否かを推し量れるツールになる。自身の理解や仕事の内容をできる限り客観的に見ることができる環境を作り上げることで、社員が「3つのつもり」に陥ることを回避してほしい。