
主要なベンチマークテストでAndroid勢を抑え、速度面で独走するiPhone/iPad。米アップル(Apple)は独自開発のCPUやGPUの詳細について明かさないものの、コンピューターの世界に魔法は無い。iPhoneの速さの秘密はどこにあるのか。その源泉を解き明かす。
主要なベンチマークテストでAndroid勢を抑え、速度面で独走するiPhone/iPad。米アップル(Apple)は独自開発のCPUやGPUの詳細について明かさないものの、コンピューターの世界に魔法は無い。iPhoneの速さの秘密はどこにあるのか。その源泉を解き明かす。
米アップルのiPhoneのCPUとGPU、NPUは、クルマで例えるならエンジンやターボチャージャー、スーパーチャージャーといった動力系。これらに対してフレームやサスペンションに当たる要素がメモリーとストレージだ。iPhoneはこの部分も抜かりない。
CPUやGPUと並び、スマートフォンの性能を左右する第3のプロセッサーに躍り出たのが「NPU(Neural Processing Unit)」。米アップルのiPhoneは2017年からNPUを顔認識や撮影画像のアニメーション処理などに利用している。
大画面化と高解像度化が進むスマートフォン。その体感速度を大きく左右するのが、画面の描画をつかさどるビデオチップ、すなわち「GPU(Graphics Processing Unit)」だ。俗に「ヌルサク」と表現されるスムーズな動作には、CPU性能はもちろん、GPUの性能も欠かせない。
iPhoneの速さを支えるCPU性能の源泉は、回路を構成するトランジスタの数である。CPUコアを増やしたり、コア当たりの性能を高めたりと自由度の高さにつながる。コア数を増やすという力業で全体性能を2倍、3倍と伸ばす一方で、コア当たりの性能を細かな改良の積み重ねで伸ばしているのだ。
米アップルの「iPhone」が他社のAndroidスマートフォンより速い。これは単なるイメージではない。ベンチマークテストの集計サイトでiPhone/iPadが上位を独占することは珍しくない。2019年1月時点でiPhoneの性能が同世代のAndroidスマートフォンより高いのは歴然とした事実だ。