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 NTT都市開発は2021年2月8日、福岡市中央区今泉1丁目で開発を進めている「今泉公園前プロジェクト」の複合施設が21年1月に竣工したと発表した。施設の顔となる公園側のファサードに、「葉脈」のような形をしたアルミキャストを採用。設計は日建設計とSUEP.(東京・世田谷)、ホテルの内装デザインはシンガポールに本社があるアスコット、施工は飛島建設が手掛けた。

 施設には、アスコットが運営するホテル「lyf Tenjin Fukuoka(ライフ天神福岡)」などが入居する。日本初進出となるlyfブランドのホテルは、21年6月16日の開業を予定している。客室数は131室。NTT都市開発のグループ会社であるUDホスピタリティマネジメント(東京・千代田)がホテルを経営する。

「今泉公園前プロジェクト」の複合施設。地上3~9階には、シンガポールのアスコットが運営するホテル「lyf Tenjin Fukuoka(ライフ天神福岡)」が入居する(写真:NTT都市開発)
「今泉公園前プロジェクト」の複合施設。地上3~9階には、シンガポールのアスコットが運営するホテル「lyf Tenjin Fukuoka(ライフ天神福岡)」が入居する(写真:NTT都市開発)
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 施設は、福岡の繁華街である天神地区に隣接する。地下鉄空港線の天神駅から徒歩10分の距離だ。地元では「三角公園」と呼ばれる今泉公園に面する。敷地面積は約777m2、延べ面積は約3850m2だ。地下1階・地上10階建てで、高さは約40m。地上1~2階は事業者のNTT都市開発が開発・運営するシェアオフィス「LIFORK今泉(仮称)」、3~9階はホテル、10階(屋上階)は今泉公園を見渡せるバー(店舗)が入る。

敷地は、福岡の繁華街である天神地区に隣接する。施設の目の前は、通称「三角公園」と呼ばれる今泉公園(資料:NTT都市開発)
敷地は、福岡の繁華街である天神地区に隣接する。施設の目の前は、通称「三角公園」と呼ばれる今泉公園(資料:NTT都市開発)
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 日建設計が建物全体の設計を手掛け、SUEP.が施設全体のコンセプトや、外観と地上1~2階の低層部および10階の屋上テラスの設計を担当している。SUEP.がNTT都市開発に提案した施設コンセプトは、公園との一体感を生み出す「PARK & NEST」だ。今泉公園(PARK)に開かれた巣(NEST)のような場所に、人々が集まってくることをイメージしたという。

施設のコンセプトは、公園との一体感を生み出す「PARK & NEST」。目の前の今泉公園(PARK)に開かれた巣(NEST)のような場所に人が集まることをイメージした(資料:NTT都市開発)
施設のコンセプトは、公園との一体感を生み出す「PARK & NEST」。目の前の今泉公園(PARK)に開かれた巣(NEST)のような場所に人が集まることをイメージした(資料:NTT都市開発)
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 「公園に開くというパークフレンドリーなメッセージを打ち出し、施設が今泉エリア全体の起爆剤になることを目指した」(SUEP.共同主宰の末光弘和氏)

今泉公園側から見た施設の夕景。公園側の外装にはアルミキャストのファサードを採用する。「葉脈」のような形のアルミキャストに壁面緑化を施す(写真:NTT都市開発)
今泉公園側から見た施設の夕景。公園側の外装にはアルミキャストのファサードを採用する。「葉脈」のような形のアルミキャストに壁面緑化を施す(写真:NTT都市開発)
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 公園と一体になって成長する巣を建物で表現するために採用したのが、低層部から徐々に壁面緑化を施す特徴的なデザインだ。葉脈状のファサードは、植物に水やりをする潅水(かんすい)システムを兼ねている。アルミ管の中に屋上から水を流して植栽の中を循環させながら、緑と水で足元空間を涼しくする。