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 愛知県は2021年2月17日、愛知県新体育館整備・運営等事業の落札者選定結果を発表した。落札者は、設計・建設期間の代表企業を前田建設工業、維持管理・運営期間の代表企業をNTTドコモとするコンソーシアム「Aichi Smart Arenaグループ」。同グループ以外の協力者として隈研吾建築都市設計事務所(東京・港)が名を連ね、外観デザインなどを担当している。落札金額は199億9910万円(税込み)。25年夏オープンを目指す。

愛知県新体育館の東側からの鳥瞰(ちょうかん)イメージ。以下、提案段階のため、今後変更となる場合がある(資料:愛知県)
愛知県新体育館の東側からの鳥瞰(ちょうかん)イメージ。以下、提案段階のため、今後変更となる場合がある(資料:愛知県)
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 愛知・名古屋は26年に、第20回アジア競技大会の開催地となる。その中で、名古屋城二の丸に立つ現在の愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ、名古屋市中区)の竣工は1964年、規模は約7400席。老朽化とともに施設内容や規模が国際水準を満たしていない点が課題となっていた。

 県はPFI方式による新体育館の整備を推進。総合評価一般競争入札を実施し、20年8月7日に募集を開始。同年12月18日の開札までに3件の応募があった。選定委員会の審査を経て、今回、落札者を決定した。

 Aichi Smart Arenaグループには代表企業の前田建設工業、NTTドコモの他、構成企業として、英Anschutz Sports Holdings(アンシュッツ・スポーツ・ホールディングス)、三井住友ファイナンス&リース、東急、中部日本放送、日本政策投資銀行、クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドが参画する。

愛知県新体育館のバスケットボール試合時の観客席イメージ(資料:愛知県)
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 愛知県建築局公共建築課によると、公表されたコンソーシアム参画企業には含まれないが、提案書には外観デザインと一部の内装デザインを隈研吾建築都市設計事務所が手掛けたと記載されている。前田建設工業と隈研吾建築都市設計事務所は、17年竣工の桐朋学園音楽部門仙川新キャンパス(東京都調布市)の設計JVなどで協働した経緯がある。

 建築設計・デザインに関わる協力者として他に、スポーツ・エンターテインメント施設に特化して国際的な実績のあるMANICA Architecture(マニカ・アーキテクチャー、米国ミズーリ州カンザスシティー)、および大建設計(東京・品川)の2社の名前がある。

 計画地は名古屋市の中心市街地北側に位置する名城公園北園(名古屋市北区)の一画で、面積は約4万6000m2。メインアリーナ、サブアリーナ、多目的ホールから成る延べ面積約5万8400m2の新体育館を建設する。鉄筋コンクリート造・鉄骨造で地上5階建て、最高高さは41mとなる。

 最大収容人数は立ち見を含めて1万7000人。さいたまスーパーアリーナのような突出例を除けば、アリーナとしては国内最大級となる。座席計画に関しては、大相撲時に1万1000席、バスケットボール時に1万5000席、フィギュアスケート時に1万4100席と例示している。

鳥瞰の外観イメージ。上は南側からの鳥瞰、下左は北側からの鳥瞰、下右は東側からの鳥瞰(資料:愛知県)
鳥瞰の外観イメージ。上は南側からの鳥瞰、下左は北側からの鳥瞰、下右は東側からの鳥瞰(資料:愛知県)
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 今回の事業者募集は、BT(Build Transfer)方式による設計・建設業務と、コンセッション方式による維持管理・運営業務を一体としたものだ。建設後、新体育館の所有権は県に移転される。県は、事業者に対して公共施設等運営権を設定し、貸し館のみに頼らない多様なホスピタリティーサービスの提供を図る。

愛知県新体育館整備・運営等事業の事業形態(資料:愛知県)
愛知県新体育館整備・運営等事業の事業形態(資料:愛知県)
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 県が求めたのは、「世界でもトップクラスの愛知・名古屋のシンボルとなるアリーナ」。Aichi Smart Arenaグループの提案に対して選定委員会は、「グローバルレベルの空間」を確保している点、「ICT技術を積極的に活用し、一体感や臨場感の最大化」を図っている点、「グローバルサービスを展開する新たなアリーナ」を目指している点などを評価した。

 グローバルサービスという点で目を引くのは、米Anschutz Entertainment Group(AEG:アンシュッツ・エンターテインメント・グループ)に属するアンシュッツ・スポーツ・ホールディングスが参画する実施体制だ。

 AEGは、米プロバスケットボールNBAの試合会場やグラミー賞の授賞式会場などとして知られる米国ロサンゼルスの「ステイプルズ ・センター」をはじめ多数のアリーナを世界各国に所有する。12年五輪会場となった英国ロンドンのThe O2(ジ・オーツー、旧ミレニアム・ドーム)の開発なども手掛けている。