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 神奈川県横須賀市は2021年2月5日、「長井海の手公園(ソレイユの丘)」の隣接地を活用し、Park-PFI(公募設置管理制度)と指定管理者制度を組み合わせた事業の交流拠点機能拡充事業整備運営事業者を、日比谷花壇(東京・港)を代表企業とする「エリアマネジメント横須賀共同事業体グループ」に決定したと発表した。ソレイユの丘は、同市がある三浦半島の西海岸(長井地区)に広がる公園である。

「長井海の手公園(ソレイユの丘)」の全景(写真:横須賀市)
「長井海の手公園(ソレイユの丘)」の全景(写真:横須賀市)
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ソレイユの丘周辺の景観(写真:横須賀市)
ソレイユの丘周辺の景観(写真:横須賀市)
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 05年4月に開園したソレイユの丘は、PFI方式で整備・運営された全国初の都市公園だ。15年3月にPFI事業期間が終了し、15年4月から指定管理者制度を導入している。21年2月17日には、累計の来園者数が1000万人を突破したばかりである。

ソレイユの丘(写真:横須賀市)
ソレイユの丘(写真:横須賀市)
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 開園から15年がたち、年間で約70万人の集客力を持つ観光拠点に育った。開園20年を前にリニューアルでさらに魅力を高め、集客力と収益性の向上を図る。

 横須賀市は、21年3月末までに事業者と基本協定を締結する方向で、調整を始めている。隣接する「荒崎公園」と連携した地域拠点や観光交流拠点として整備を進める。新たにカフェ&レストランやグランピング施設などを設け、23年4月のリニューアルオープンを目指す。

リニューアル後のイメージ(資料:横須賀市)
リニューアル後のイメージ(資料:横須賀市)
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グランピング施設のイメージ(資料:横須賀市)
グランピング施設のイメージ(資料:横須賀市)
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 また市は「横須賀再興プラン」により、長井地区の交流拠点機能の拡充を目的とし、ソレイユの丘の再開発を計画してきた。横須賀市の最重点施策に位置付けられている。

 ソレイユの丘の隣接地の広さは、約6万6000m2(東側平たん地が約3万3000m2、南側崖地が約3万3000m2)。20年8月5日に事業者の公募を開始し、学識経験者などの外部委員や市の職員で構成する委員会が選考を進めていた。

ソレイユの丘の隣接地(黄色の部分)の広さは、東側平たん地と南側崖地の合計で約6万6000m<sup>2</sup>ある(資料:横須賀市、長井海の手公園等交流拠点機能拡充事業基本計画)
ソレイユの丘の隣接地(黄色の部分)の広さは、東側平たん地と南側崖地の合計で約6万6000m2ある(資料:横須賀市、長井海の手公園等交流拠点機能拡充事業基本計画)
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 選考委員会が評価した1つは、多様なライフスタイルを提案するなど、23年から42年まで20年間の事業を見据えた新たな価値創造のコンセプトだ。コンセプトは「YOKOSUKA WEST COAST STYLE PARK ~海と大地と、人をつなぎ、新しい出会いと発見のある場所へ~」。

 その他、公園拡張部分を活用する中核施設「ヒルトッププラザ」や、崖地部分を活用した宿泊施設の新設、花畑や芝生広場の空間創出により公園全体の回遊性を高める点も評価。鉄道や臨時バス、環境負荷が少ないコミュニティービークルの運行などを整えた広域な観光交流拠点としての機能拡充も評価理由に挙げた。