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建築物や内装の意匠登録は本当にうれしい

 佐藤氏は「集まって住むパワー」を、団地の強みにしていくべきだと主張してきた。洋光台団地は住棟と住棟の間に、広いスペースがあるのが特徴だ。「これだけゆとりがある屋外空間は、URの団地ならでは。集まって住んでいないと、こんなぜいたくなスペースは持てない」と、佐藤氏と隈氏は団地が持つポテンシャルで認識が一致している。

 中島理事長は「洋光台をモデルケースにして、団地の未来プロジェクトを全国に横展開していきたい」と意気込みを語る。UR都市機構が管理する住戸数は約72万戸(21年時点)と膨大だ。

 個別取材の途中で、佐藤氏は建築物や内装の意匠登録にも言及した。「10年かけて形にしてきたものを他社に簡単にまねされたら、正直気分は良くない。意匠登録で守られるようになったのは画期的」と打ち明ける。今後の展開次第では、団地の未来プロジェクトでも建築物や内装を意匠登録に動く可能性があるだろう。

個別取材に応じた佐藤氏と中島理事長(写真:日経クロステック)
個別取材に応じた佐藤氏と中島理事長(写真:日経クロステック)
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 佐藤可士和展では、日本で初めて建築物で意匠登録された「UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店」と内装が意匠登録された「くら寿司 浅草ROX店」を紹介している。どちらも佐藤氏が空間デザインを手掛けたものだ。

 2件の意匠登録について佐藤氏は、「これまでにいただいたどんな賞よりもうれしかった出来事」とインタビューで語っている。「私は建築物や内装というよりは、空間をデザインしている。空間が伴わないブランディングは存在しない」と持論を展開する。洋光台団地に設けた様々な施設も、空間デザインに他ならない。