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高圧線の影響で施工ヤードを使えず

 20年の出水期が終わってから11月に現場に入った施工者を悩ませたのが、施工ヤードの不足だった。1径間のプレガーダーの桁長は最大で24m。地組みのためには十分な広さの施工ヤードを確保しなければならない。そのため当初、想定していたヤードの予定地から二転三転する。

 「もともと左岸側の下流部の国道沿いにヤードを設ける予定だった。しかし九州電力の高圧線が走っており移設の調整に時間を要することから、断念せざるを得なかった」と、監督を務める国土交通省九州地方整備局八代復興出張所の平山絹一建設監督官は話す。

ドローンによる空撮。球磨川の下流側から流失した鎌瀬橋を望む。赤枠の囲み付近から高圧線が延びる。写真左が右岸側で、右が左岸側(写真:国土交通省九州地方整備局)
ドローンによる空撮。球磨川の下流側から流失した鎌瀬橋を望む。赤枠の囲み付近から高圧線が延びる。写真左が右岸側で、右が左岸側(写真:国土交通省九州地方整備局)
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 続いて、左岸側の橋のたもとを走る市道をヤードとして使う案が浮上するものの、市道の先で進められている災害復旧工事の車両を通過させるために、通行止めにできないことが判明した。

 そこで、髙野組は河川区域内の堤防のへりに、2tの袋詰め玉石を積み上げて河原の一部を埋め、何とか施工ヤードを確保した。

写真手前が袋詰めの玉石を積んで造った施工ヤード。2021年3月10日撮影(写真:日経クロステック)
写真手前が袋詰めの玉石を積んで造った施工ヤード。2021年3月10日撮影(写真:日経クロステック)
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 ただ、プレガーダーの架設には、200tのクローラークレーンを使う。橋のたもとにしか据え付けられなかったため、その組み立てや吊り上げで、一時的な通行止めは避けられなかった。日々作業の状況が変わるため、髙野組は看板に通行止めにする時間を張り出すなど、近くの集落への周知を徹底した。

通行止めによる迂回を案内する看板(写真:髙野組)
通行止めによる迂回を案内する看板(写真:髙野組)
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 国交省八代復興出張所は鎌瀬橋以外に、八代市にある坂本橋と熊本県球磨村にある相良橋で仮橋を架設している。「鎌瀬橋の仮橋が先行して動いているため、杭を打つ方法などのノウハウが坂本橋など他の橋で生かされている」(平山建設監督官)

最大スパン24mに対応したプレガーダー。既に架設したプレガーダーは200tクレーンの積載荷重に耐えられる。球磨川の右岸側から撮影。2021年3月10日撮影(写真:日経クロステック)
最大スパン24mに対応したプレガーダー。既に架設したプレガーダーは200tクレーンの積載荷重に耐えられる。球磨川の右岸側から撮影。2021年3月10日撮影(写真:日経クロステック)
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