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 沖縄県沖縄市で、“米国ばり”にスポーツエンターテインメント性を追求した「沖縄アリーナ」が完成。2021年3月28日に落成式が開かれた。「観る」側の視点に立って、導入したデジタル技術や観客席の配置にこだわった観戦空間が特徴だ。施設の最大収容人数は県内最大の1万人。施設の目玉は、天井からつり下げた510インチの大型映像装置「メガビジョン」だ。メガビジョンには、自由視点映像システム「4D REPLAY(4Dリプレイ)」で撮影した映像を映し出す予定だ。

アリーナの天井に設置した「メガビジョン」。4Dリプレイで撮影した映像が映し出される(写真:梓設計)
アリーナの天井に設置した「メガビジョン」。4Dリプレイで撮影した映像が映し出される(写真:梓設計)
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 「日本初の『エンタメアリーナ』になる」。そう自信を見せるのは、設計者の1人である梓設計スポーツ・エンターテインメントドメインの永廣正邦ドメイン長だ。「これまでの日本のプロスポーツは、『する』側の視点に立って設計された体育館で試合を開催することが多かった。沖縄アリーナは、最先端技術を導入するなど、『観る』ための施設として観戦環境の向上を追求した」と語る。

沖縄県沖縄市に最大収容人数1万人の「沖縄アリーナ」が完成し、2021年3月28日に落成式が開かれた(写真:梓設計)
沖縄県沖縄市に最大収容人数1万人の「沖縄アリーナ」が完成し、2021年3月28日に落成式が開かれた(写真:梓設計)
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 施設は鉄骨造の地上6階建てで、延べ面積は約2万7000m2。国内男子バスケットボールリーグ「B.LEAGUE」に参加する「琉球ゴールデンキングス」の本拠地として活用する他、プロスポーツの公式戦や音楽コンサート、展示会などに使用する。市が発注し、設計は梓設計・創建設計・アトリエ海風JV、施工は鹿島・仲本工業・太田建設・富建JVが手掛けた。

 メガビジョンは可動式で、バスケットボールの試合時にはアリーナ中央部に、音楽コンサートなどエンドステージとして使用する際には片側に寄せられる。

バスケットボールの試合時のイメージ(資料:沖縄市)
バスケットボールの試合時のイメージ(資料:沖縄市)
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 メガビジョンには4Dリプレイで撮影した映像を映し出す。4Dリプレイとは、シンクロさせた数十台のカメラで映像を撮影することで様々なアングルからの映像を再生する技術だ。沖縄アリーナには、60台の4Kカメラを設置。メガビジョンを通して、観客席からでは目の届かないプロスポーツ選手のプレーなども見ることができる。4Dリプレイを常設するのはアリーナでは国内初の取り組みだ。

音楽コンサート開催時のイメージ(資料:沖縄市)
音楽コンサート開催時のイメージ(資料:沖縄市)
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 この他にも、昨今ニーズが高まっている音楽コンサートのライブ配信を想定して、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)といったxR技術を活用した映像配信システムを導入。1万人の利用を想定した無料Wi-Fi環境やセンサー技術を活用した混雑状況把握システムなども整備している。