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 神戸市は2021年3月26日、ウオーターフロント都心ゾーンの一画で進める「新港突堤西地区(第2突堤)再開発」の優先交渉権者を発表した。収容人員1万人超の規模の「スマートアリーナ」を提案したNTT都市開発(東京・千代田)を代表とする企業連合体を選定。構成員企業としてスマートバリューとNTTドコモが名を連ねる。総事業費は未定。24年度の開業を目指す。

南西側の外観イメージ。関西圏ではまだ少ない、収容人員1万人超の大規模多目的アリーナを建設。鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造の地上5階建てとなる(資料:神戸市)
南西側の外観イメージ。関西圏ではまだ少ない、収容人員1万人超の大規模多目的アリーナを建設。鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造の地上5階建てとなる(資料:神戸市)
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 ウオーターフロント都心ゾーンは三宮駅周辺ゾーンの南側に位置し、市役所周辺ゾーンを合わせた一体で、神戸の玄関口としての魅力づくりが進められている。海側に開けた眺望に恵まれる新港第2突堤(神戸市中央区)が今回の計画地で、市は神戸ウオーターフロントのシンボルとなる施設を求めた。

 整備・運営に携わる事業者の公募に対し、2者が応募。優先交渉権者選考委員会(委員長:安田丑作神戸大学名誉教授)が審査を進めていた。

 南北に細長い突堤の面積は約3万8000m2で、そのうち今回の公募対象地は約1万9340m2。「KOBE Smartest Arena(神戸スマーテストアリーナ)」とうたい、延べ面積2万5301m2の多目的アリーナを建設する。兵庫県内では最大の収容人員1万人超の規模とされる(客席数は約8000席)。

計画地の新港突堤西地区。3つ並ぶうちの中央が第2突堤(東側に、さらに第4突堤がある)。櫛(くし)形の突堤の特性を生かした、眺望に優れた立地環境ならではのシンボル性のある施設が求められた(資料:神戸市)
計画地の新港突堤西地区。3つ並ぶうちの中央が第2突堤(東側に、さらに第4突堤がある)。櫛(くし)形の突堤の特性を生かした、眺望に優れた立地環境ならではのシンボル性のある施設が求められた(資料:神戸市)
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事業用地全体を含む南西上空(海側)からの鳥瞰(ちょうかん)イメージ。選考委員会は、南側隣接敷地の緑地空間との一体的整備に向けた、さらなる検討を求めている(資料:神戸市)
事業用地全体を含む南西上空(海側)からの鳥瞰(ちょうかん)イメージ。選考委員会は、南側隣接敷地の緑地空間との一体的整備に向けた、さらなる検討を求めている(資料:神戸市)
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アリーナの内観イメージ(資料:神戸市)
アリーナの内観イメージ(資料:神戸市)
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通信、デジタルの最新技術で「進化し続けるスマートアリーナ」に

 市は、文化集客、観光商業、宿泊のいずれか、あるいはそれらの機能の複合を条件とし、持続的な集客力を持つ施設を求めた。神戸ウオーターフロントで初となる 大規模多目的アリーナの提案に対し、観光・集客需要や交流人口の増加に寄与するものと評価している。三宮駅周辺との間で、にぎわい創出の相乗効果を期待できると位置付けた。

 提案書類によると、プロスポーツ興行の他、音楽興行やMICE(会議・展示)など多様な用途に対応できる施設となる。集客効果は、年間約100万人を見込む。

 アリーナを中心に、屋外には歩行者専用のプラザや、水際緑地との間をつなぐコリドー(街路空間)を配置。最大3000人が滞留できるオープンな空間とし、アリーナにおける興行の有無に関わらず様々なイベントを開催可能な場所とする。選考委員会は、「建物内外に一体感・連続感のあるにぎわい空間」「施設利用者のみならず来訪者にとっても親しみやすい施設構成・配置」である点を評価した。

配置イメージ(資料:神戸市)
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新港第2突堤基部からの近景(資料:神戸市)
新港第2突堤基部からの近景(資料:神戸市)
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陸側のプラザ越しの外観のイメージ。選考委員会は、大規模集客イベント開催時などにおけるアクセス動線の在り方に、さらなる検討を求めている(資料:神戸市)
陸側のプラザ越しの外観のイメージ。選考委員会は、大規模集客イベント開催時などにおけるアクセス動線の在り方に、さらなる検討を求めている(資料:神戸市)
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 対岸の第1突堤やポートアイランド、および海側から望んだ際の独創的な景観計画の他、夜間照明に対する配慮なども求めている。これらに関しては、「とりわけ、大きなガラス面による開放感と透明感のあるファサード構成は、建築の内部空間とオープンスペースや周辺公共空間との視覚的なつながりを生み、魅力的なウオーターフロントの夜間景観の演出を可能とする」と評価した。