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 大阪市で建設が進む「大阪中之島美術館」。運営者の大阪中之島ミュージアム(大阪市)は、同館が2022年2月2日に開館すると発表した。19年2月に着工し、21年4月初旬時点で建物は完成に近づいている。

大阪市の中之島で建設が進む「大阪中之島美術館」。2021年3月に撮影(写真:大阪中之島美術館準備室)
大阪市の中之島で建設が進む「大阪中之島美術館」。2021年3月に撮影(写真:大阪中之島美術館準備室)
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 設計コンセプトは、「さまざまな人と活動が交錯する都市のような美術館」。1983年に美術館の構想が発表されてから、実に約40年が経過し、ようやく2022年に開館の見通しとなった。

 美術館の発注者は大阪市。設計者は大阪市都市整備局企画部公共建築課と遠藤克彦建築研究所(東京・港)。施工者は錢高組・大鉄工業・藤木工務店特定建設工事共同企業体である。

 敷地面積は約1万2871m2、建築面積は約6681m2、延べ面積は約2万12m2。地上5階建てで、高さは約36.9m。構造は鉄骨造だ。

 建物の特徴は、黒いプレキャストコンクリートパネルに囲まれたキューブ状のシンプルな外観と、内部を立体的にくりぬいた「パッサージュ」(遊歩空間)である。建物には1~5階を貫く吹き抜けを設置。パッサージュを吹き抜けへとつなぎ、展覧会の入場者だけでなく誰でも通れるようにする。

 1~2階はガラス張りにすることで外に開きつつ、3階以上は黒い外壁で覆い、黒色の箱が宙に浮いているように見せている。黒い箱はアート作品を守りつつ、パッサージュを際立たせる役割を果たしているという。

黒い箱のような外観が特徴。内部をパッサージュが貫く(写真:大阪中之島美術館準備室)
黒い箱のような外観が特徴。内部をパッサージュが貫く(写真:大阪中之島美術館準備室)
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 17年2月に公募型設計競技(コンペ)で設計者に選ばれた遠藤克彦建築研究所の代表取締役である遠藤克彦氏は、設計要件だったパッサージュを建物の「背骨」に例えた。吹き抜け天井から光が降り注ぐパッサージュを美術館の中心に位置付け、さらに平面的にも立体的にも連続性を持たせた点が審査で評価された。

遠藤克彦建築研究所の代表取締役である遠藤克彦氏(写真:遠藤克彦建築研究所)
遠藤克彦建築研究所の代表取締役である遠藤克彦氏(写真:遠藤克彦建築研究所)
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 パッサージュなど館内の共用空間に設置するロビーベンチやサイドテーブルといった家具の製作者は、公募型プロポーザルで21年3月末にカンディハウス・藤森泰司アトリエ共同事業体に決定したばかり。カンディハウスは家具の産地である北海道旭川市の木製家具メーカーであり、藤森泰司氏は家具デザイナーだ。

 美術館は1階に店舗や講堂、2階にメインエントランス、3階に作品の収蔵庫、そして4階に常設展示室、5階に大規模な巡回展にも対応できる関西最大級の企画展示室を置く。4階の展示室には2階のパッサージュから、長いエスカレーターで一気にアクセスできる。一筆書きの展示順路を回り、再びエスカレーターで2階に下りてくる動線計画としている。

 屋外には、約1000m2の芝生広場と歩行者デッキを設ける。街の回遊性やにぎわいを創出し、中之島に新たな人の流れをもたらすことを狙う。

 大阪中之島美術館は民間の知恵を最大限利用し、利用者へのサービスを重視したミュージアムを目指している。そこで民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)に基づく公共施設等運営事業(コンセッション方式)を日本の美術館として初導入した。

 19年度に地方独立行政法人大阪市博物館機構が実施した募集手続きで、PFIの事業者には朝日ビルディング(大阪市)が優先交渉権者として選ばれた。20年4月1日に同社が特別目的会社「大阪中之島ミュージアム」を設立し、公共施設等運営権実施契約を締結している。館長や学芸員は大阪市博物館機構から大阪中之島ミュージアムに出向する。