大阪・堂島に、高級タワーマンションとラグジュアリーホテルが合体した巨大複合施設が誕生する。
東京建物とシンガポールの不動産会社Hotel Properties Limited(HPL)は2021年4月8日、マンションとホテルが同居する超高層の複合タワービルの開発事業「ONE DOJIMA PROJECT」を共同で開始すると発表した。延べ面積は8万m2を超え、関西圏で注目の大規模再開発となる。20年8月に既に着工しており、24年の竣工を目指す。
このプロジェクトは国土交通省が16年に創設した「宿泊施設の整備に着目した容積率緩和制度」が適用され、大阪市による特定街区の都市計画決定を受けた。設計者として日建設計、施工者として竹中工務店の参画も同時に発表した。
複合施設には、東京建物の分譲住宅シリーズ「Brillia(ブリリア)」と、カナダに本社を置くFour Seasons Hotels & Resorts(以下フォーシーズンズホテル)が入居する。1棟に分譲マンションとフォーシーズンズホテルが入る組み合わせは日本初であり、フォーシーズンズホテルは大阪市内に初進出する。
計画地は、大阪市北区堂島2丁目にある「電通大阪ビル」の跡地である。堂島川から2ブロック北側に位置する。JR大阪駅まで徒歩9分という立地で、交通の便がいい。敷地面積は約4828m2、建築面積は約2392m2、延べ面積は約8万2566m2だ。
建物は地下1階・地上49階建てで、高さは約195mとする。住宅フロアは地上1~27階および38~49階で、総戸数は466戸。ホテルフロアは地上1~2階および28~37階で、客室数は178室を設ける予定だ。
会見に出席した日建設計チーフデザインオフィサーの大谷弘明常務執行役員は、住宅とホテルの一体感を重視したタワーのデザインを考えたという。「建物のどこからがマンションで、どこからがホテルなのか分からないような外観デザインにこだわった」と明かした。
建物全体は「帆」をイメージした形状をしている。バルコニーや空調の室外機などを、外に見せない工夫をしているという。