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 ケン・コーポレーション(東京・港)が2023年7月の完成を目指して、横浜みなとみらい21地区で建設している世界最大級の音楽ライブ専用施設「Kアリーナ横浜」。その現場取材を日経クロステックが許された。音楽ファンもミュージシャンも業界関係者も注目する、巨大なライブ会場をいち早く紹介する。

 取材したのは22年3月末で、工期の約半分が経過した段階だ。大規模複合施設「Kアリーナプロジェクト建設工事(仮称)」の設計は、梓設計と国建、鹿島。施工は鹿島が担当している。

みなとみらいで建設が進む音楽ライブ施設「Kアリーナ横浜」(左)。白い外壁の取り付けが始まっている。右に見える建物は、同じ街区に建つ予定のホテル棟(写真:日経クロステック)
みなとみらいで建設が進む音楽ライブ施設「Kアリーナ横浜」(左)。白い外壁の取り付けが始まっている。右に見える建物は、同じ街区に建つ予定のホテル棟(写真:日経クロステック)
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 約2万席を有する地上9階建てのKアリーナは、とにかく大きい。延べ面積が約5万4000m2のライブ施設だ。ミュージシャンが立つ幅80mのステージをどの客席からでも見えやすくするため、扇形のホール形状を採用している。ステージが扇の要に相当する、一番低い位置にある。

建設中のKアリーナ内部。右手がステージになる(写真:日経クロステック)
建設中のKアリーナ内部。右手がステージになる(写真:日経クロステック)
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Kアリーナの座席配置イメージ(資料:ケン・コーポレーション)
Kアリーナの座席配置イメージ(資料:ケン・コーポレーション)
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クレーン車と比較すると、Kアリーナの大きさがよく分かる。客席空間には鑑賞の邪魔になる柱がない。大屋根をどう支えるかが建築的な最大の見どころ(写真:日経クロステック)
クレーン車と比較すると、Kアリーナの大きさがよく分かる。客席空間には鑑賞の邪魔になる柱がない。大屋根をどう支えるかが建築的な最大の見どころ(写真:日経クロステック)
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 内部の詳細に入る前に、場所を確認しておこう。みなとみらいの北側に位置する60街区で、横浜駅から徒歩数分の距離だ。

計画地は横浜駅から歩いて行ける近さ。みなとみらいの北側に位置する(資料:ケン・コーポレーション)
計画地は横浜駅から歩いて行ける近さ。みなとみらいの北側に位置する(資料:ケン・コーポレーション)
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 横浜駅東口を出て海側に進むと、スタジアムのような建設現場が見えてくる。それがKアリーナだ。

横浜駅東口側から見た建設現場(写真:日経クロステック)
横浜駅東口側から見た建設現場(写真:日経クロステック)
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 みなとみらいエリアに入り、みなとみらい線の新高島駅がある交差点を北に進むとすぐに、子どもたちに大人気の「横浜アンパンマンこどもミュージアム」が現れる。その裏手にKアリーナの建設現場になっている60街区がある。

 敷地面積は3万1817.00m2、建築面積は2万7333.01m2、延べ面積は11万9127.55m2。みなとみらいの1つの街区としては最大規模だ。構造は鉄骨(S)造、一部鉄筋コンクリート(RC)造・SRC造である。

建設現場の目の前には「横浜アンパンマンこどもミュージアム」がある。後ろの白い建物がKアリーナ(写真:日経クロステック)
建設現場の目の前には「横浜アンパンマンこどもミュージアム」がある。後ろの白い建物がKアリーナ(写真:日経クロステック)
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 白い外観が見え始めているKアリーナの隣で、高さが約100mになるツインタワーの建設も進んでいる。上の写真でいうと、Kアリーナの隣がホテル棟「ヒルトン横浜」、その左がオフィス棟「Kタワー横浜」である。ヒルトンブランドのホテルは、横浜初進出となる。客室数は339室を予定している。

60街区「ミュージックテラス」建設現場の空撮写真。22年3月時点(写真:鹿島)
60街区「ミュージックテラス」建設現場の空撮写真。22年3月時点(写真:鹿島)
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 60街区では、これら3つの建物で構成する大規模開発が進行中。街区の名称はライブ施設にちなんで、「ミュージックテラス」に決まった。完成すると、下のイラストのようになる。横浜の新名所になるのは間違いない。

ミュージックテラスの完成イメージ(横浜駅側からの眺め)。左がアリーナ棟「Kアリーナ横浜」、中央がホテル棟「ヒルトン横浜」、右がオフィス棟「Kタワー横浜」(資料:ケン・コーポレーション)
ミュージックテラスの完成イメージ(横浜駅側からの眺め)。左がアリーナ棟「Kアリーナ横浜」、中央がホテル棟「ヒルトン横浜」、右がオフィス棟「Kタワー横浜」(資料:ケン・コーポレーション)
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 3棟はペデストリアンデッキで接続するので、行き来しやすい。ライブ鑑賞前後のホテル利用や、仕事帰りのホテル滞在やレストランでの食事、そしてコンサートと、働くにも遊ぶにも楽しい街区になりそうだ。

 横浜で大規模な音楽ライブの会場といえば、新横浜にある「横浜アリーナ(22年7月末まで改修工事で休業)」か、みなとみらいの「パシフィコ横浜」が代表格だ。ただし、横浜アリーナはスポーツ施設、パシフィコ横浜は大型展示場と、音楽ライブ専用の施設ではない。音響環境や座席配置は音楽ライブに特化したつくりにはなっていない。その点、Kアリーナは音楽ライブ専用なので、音楽好きの期待は非常に大きい。誰がこけら落とし公演のステージに立つのか、期待が高まる。

ミュージックテラスの夜景イメージ(資料:ケン・コーポレーション)
ミュージックテラスの夜景イメージ(資料:ケン・コーポレーション)
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 ライブ専用施設ならではの、吸音環境も整える。爆音を鳴らしても、隣のホテルやオフィス、周辺のタワーマンションなどには音ができるだけ聞こえないように工夫する計画だ。