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 星野リゾートは2022年4月22日、同社が18年から展開しているOMOブランドと呼ぶ都市観光ホテル「OMO7大阪」(大阪市浪速区)を開業した。1993年から環境負荷を最小限にとどめる「環境経営」を推進している星野リゾート。OMO7大阪には国内初の設計技術を採用して、施設を「膜」で覆うことで日射負荷の低減などを図っている。

OMO7大阪の南側外観。手前に写っているのが、ホテル宿泊者が利用できる温浴棟「湯屋」(写真:日経クロステック)
OMO7大阪の南側外観。手前に写っているのが、ホテル宿泊者が利用できる温浴棟「湯屋」(写真:日経クロステック)
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 OMO7大阪は地上14階建てで、延べ面積約3万7300 m2。ホテル棟と、宿泊客専用の温浴施設「湯屋」、面積約7600 m2のガーデンエリア「みやぐりん」から成る。JR大阪環状線の新今宮駅から徒歩1分の場所に位置するため、駅のホームからでも一目瞭然だ。

 設計は日本設計(ホテル棟)と岩田尚樹建築研究所(湯屋)、東 環境・建築研究所(内装)、オンサイト計画設計事務所(ランドスケープ)が担当。施工は竹中工務店・南海辰村建設共同企業体(JV)が手掛けた。

JR大阪環状線の新今宮駅の2階から見た様子。駅徒歩1分の場所に立つため、存在感抜群だ(写真:日経クロステック)
JR大阪環状線の新今宮駅の2階から見た様子。駅徒歩1分の場所に立つため、存在感抜群だ(写真:日経クロステック)
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 特徴的なホテル棟の白い外観は、5265枚の「フッ素樹脂酸化光触媒膜」(以下、外装膜)でホテル棟を覆ったことで生み出されたデザインだ。外装膜は、日射など外からの光のうち78.5%を反射・拡散して、窓から客室内に入る日射量を30~45%軽減する。

外からみた外装膜。5265枚の外装膜をランダムに配置した(写真:日経クロステック)
外からみた外装膜。5265枚の外装膜をランダムに配置した(写真:日経クロステック)
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客室からの眺望(写真:日経クロステック)
客室からの眺望(写真:日経クロステック)
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 客室に入る日射量を軽減することで、冷房設備の作動時に必要なエネルギー消費量を削減できる。加えて、外壁コンクリートから発生する輻射(ふくしゃ)熱を軽減する効果もあるため、ヒートアイランド現象の緩和にも寄与するという。

 外装膜を用いて環境負荷を低減する設計技術は、日本設計と膜材開発などを手掛ける太陽工業(大阪市)、建築材料の製造販売を展開する不二サッシが共同で開発。3者が連名で特許出願中だ。

 外装膜の他にも、冷暖房負荷を抑制するLow-EガラスやLED照明といった省エネ技術を導入し、地表面の高温化を抑制するみやぐりんを整備するなど環境配慮を徹底した。

面積約7600m2のガーデンエリア「みやぐりん」。約1700m2の芝生や高木約200本の植栽などによる緑化で、地表面の高温化を抑制する。デッキテラスや散策路などを設けており、宿泊者でなくても利用できる(写真:日経クロステック)
面積約7600m2のガーデンエリア「みやぐりん」。約1700m2の芝生や高木約200本の植栽などによる緑化で、地表面の高温化を抑制する。デッキテラスや散策路などを設けており、宿泊者でなくても利用できる(写真:日経クロステック)
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 環境配慮を追求したOMO7大阪は、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)による第三者認証で最高ランクの「ZEB Oriented」の認証を取得。星野リゾートの星野佳路代表は、「環境適応型ホテルとしての新たなモデルを創出できた」と自信を見せる。