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90万m3の山を掘削

 発破が終わると、巨大重機の出番だ。40tの重ダンプトラックと6m3級のバックホーを利用して、土砂の運搬の効率を上げている。バケットがすくい取れる土砂の量が多いため、積み込みのたびに土砂とトラックの荷台との衝撃音が鳴り響く。

6m3級のバックホーと40tの重ダンプトラック。40tの重ダンプの積載量は約20m3。10tのダンプトラックの3倍以上だ(写真:生田 将人)
6m3級のバックホーと40tの重ダンプトラック。40tの重ダンプの積載量は約20m3。10tのダンプトラックの3倍以上だ(写真:生田 将人)
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 現場には仮囲いがないため、県道から運搬の様子がよく見える。「一般の人に『安全に気を配ってしっかりと工事を進めている』ことが分かる工事をしようと呼びかけている」(今井所長)

 付け替え工事での新たな河道の延長は約3.4km。既存の柳井原貯水池を通るルートを設定した。新たなルートの支障となったのが南山だ。山の一部となる90万m3を掘削しなければならない。

小田川合流地点付け替え事業の効果のイメージ。毎秒1万3400m3は、高梁川本川の治水計画において目標としている流量。また、同1万2000m3や同1400m3は、その際に各河川に流れる流量(資料:国土交通省中国地方整備局)
小田川合流地点付け替え事業の効果のイメージ。毎秒1万3400m3は、高梁川本川の治水計画において目標としている流量。また、同1万2000m3や同1400m3は、その際に各河川に流れる流量(資料:国土交通省中国地方整備局)
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 当初、設計書に指定されていたのは、削岩機械による掘削だった。ところが想定外の硬さを持つ岩の出現で、機械の故障する頻度が増えてきた。

 そこで、工事着手後に近隣の住民の引っ越しが完了したことなどを受けて、発破掘削に契約を変更。営巣する猛きん類の保全対策のために21年1月から試験発破を開始し、徐々に回数を増やして同年4月に本採用となった。