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掘削した土砂は現場内で有効利用

 鹿島JVの現場内では、地元の建設会社が請け負う築堤や橋梁の架設など複数の工事が同時並行で進む。そのため工事間の調整に気を使わなければならない。

鹿島JVの現場内では、新しい河道の築堤も進む。地元の建設会社が施工している。写真は既に完成した堤防(写真:生田 将人)
鹿島JVの現場内では、新しい河道の築堤も進む。地元の建設会社が施工している。写真は既に完成した堤防(写真:生田 将人)
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2021年度の工事予定箇所。黄色が鹿島JV、赤色が他の建設会社がそれぞれ請け負う(資料:国土交通省中国地方整備局)
2021年度の工事予定箇所。黄色が鹿島JV、赤色が他の建設会社がそれぞれ請け負う(資料:国土交通省中国地方整備局)
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 例えば、土工計画。掘削土と、盛り土や築堤に使う土砂との量が合うように調整しなければならない。土壌汚染対策法の制約から、掘削した土砂は適切な処理をしなければ現場外へ搬出できない。うまく有効活用しなければ、処分費がかかる。

掘削した土砂で柳井原貯水池の一部を埋めている様子。後ろに見えるのは山陽新幹線(写真:生田 将人)
掘削した土砂で柳井原貯水池の一部を埋めている様子。後ろに見えるのは山陽新幹線(写真:生田 将人)
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 「堤防用の土砂は規格があるため粒度の調整が必要だ。掘削箇所によって土質が変わるため、その都度、土工計画を見直さなければならない。工程の遅延につながらないよう対応したい」。中国地整高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所の伊森誠治建設監督官は、こう意気込む。

 多くの重機が行き交うため、重機の動線にも気を配った。特に重ダンプと他工事で使用する重機の大きさが異なるため、事故を起こさないよう現場内に40tの重ダンプの専用道路を造った。

40tの重ダンプトラック専用の工事用道路(写真:生田 将人)
40tの重ダンプトラック専用の工事用道路(写真:生田 将人)
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 通常の工事用道路が横切る場所では、40tの重ダンプの通行を優先させている。原則、人が歩くことも禁止とした。

 小田川付け替え工事は19年6月に契約後、南山の遺跡調査に時間を要してしまった。そのため、遅れを取り戻しながら23年度の完成に向けて急ピッチで工事を進めなければならない。

 小田川付替えJV工事事務所の今井所長は言う。「3年前の西日本豪雨級の災害がいつ起こってもおかしくない。一刻も早く工事を終わらせて新しい河道を機能させたい」