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 2022年の春・夏・秋の3会期にわたって開催している「瀬戸内国際芸術祭2022」は、アートだけでなく建築の見どころも多い。芸術祭の主要拠点の1つである高松市からアクセスしやすい場所だけでも、春から夏にかけて新しい建築物とアートの融合施設が複数登場した。

 1つは高松港からフェリーで約40分の男木島にできたばかりの「男木島パビリオン」である。坂茂氏と、アーティストの大岩オスカール氏が共作した施設だ。坂氏が災害復興現場でよく用いる紙管を施設の柱や梁(はり)に使っている。

 男木島パビリオンは、島を見下ろす高台にある豊玉姫神社の鳥居の隣にできた。急な坂道だらけの島内で、非常に目立つ場所に立つ。男木港からもよく見える。

夏会期に登場した「男木島パビリオン」(写真中央の一番上)。坂茂氏がデザインし、紙管を用いている。島を見下ろす高台にある豊玉姫神社の鳥居の隣に立つ。写真は男木港からパビリオンを見上げた様子(写真:日経クロステック)
夏会期に登場した「男木島パビリオン」(写真中央の一番上)。坂茂氏がデザインし、紙管を用いている。島を見下ろす高台にある豊玉姫神社の鳥居の隣に立つ。写真は男木港からパビリオンを見上げた様子(写真:日経クロステック)
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 22年8月5日の夏会期スタート時点では、パビリオンの一部が工事中だったため、建物全体の撮影はできなかった。しかし内部のアート作品は完成しており、鑑賞可能である。大岩氏がパビリオン内に男木島ゆかりの絵を描いた。建物から見える絶景と絵画が融合している。

見晴らしが良い海側の窓に、アーティストの大岩オスカール氏が男木島にまつわる絵を描いた。パビリオンからは港越しに瀬戸内海を見渡せる。畳の部屋でのんびりできる(写真:日経クロステック)
見晴らしが良い海側の窓に、アーティストの大岩オスカール氏が男木島にまつわる絵を描いた。パビリオンからは港越しに瀬戸内海を見渡せる。畳の部屋でのんびりできる(写真:日経クロステック)
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3枚のガラスに、それぞれ異なる絵が描かれた。絵の形や位置に注目してみてほしい。サッシは開け放つことができ、さわやかな海風が吹き抜ける(写真:日経クロステック)
3枚のガラスに、それぞれ異なる絵が描かれた。絵の形や位置に注目してみてほしい。サッシは開け放つことができ、さわやかな海風が吹き抜ける(写真:日経クロステック)
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右側のサッシに描かれた船の絵は眺める位置によっては、海に浮かんでいるように見える。海の景色をキャンバスに見立てている(写真:日経クロステック)
右側のサッシに描かれた船の絵は眺める位置によっては、海に浮かんでいるように見える。海の景色をキャンバスに見立てている(写真:日経クロステック)
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3枚のサッシを重ねると、絵が合体する仕掛けになっていた(写真:日経クロステック)
3枚のサッシを重ねると、絵が合体する仕掛けになっていた(写真:日経クロステック)
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島の反対側に立つ灯台を模した建物側面の絵(写真:日経クロステック)
島の反対側に立つ灯台を模した建物側面の絵(写真:日経クロステック)
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タコ漁が盛んな男木島を象徴するタコの絵も、形を工夫している。眼下の港には大きなタコつぼの作品もある(写真:日経クロステック)
タコ漁が盛んな男木島を象徴するタコの絵も、形を工夫している。眼下の港には大きなタコつぼの作品もある(写真:日経クロステック)
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 日経クロステックでは既報だが、本年の目玉となるのは直島で22年3月に完成したアート施設「ヴァレーギャラリー」だろう。安藤忠雄建築研究所が設計した。

 同年8月には、高松市屋島に新しい展望施設「高松市屋島山上交流拠点施設」(愛称、やしまーる)が開業した。こちらはSUO・Style-A設計共同企業体が設計している。

 高松を拠点に瀬戸内国際芸術祭を回るなら、船で直島などの島々を巡るのは簡単だし、屋島は電車や車で行ける。ヴァレーギャラリーとやしまーるは、建築ファン必見だ。