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 長崎港に向かって延びる長さ約260mのうねる膜屋根が、長崎市の新たなシンボルになる──。

 2022年9月23日、武雄温泉(佐賀県武雄市)と長崎(長崎市)間を結ぶ西九州新幹線の開業で、新しく建てられた長崎駅舎(新幹線)がオープンする。先行して20年3月に長崎駅舎(在来線)の高架化が完了。「長崎駅舎・駅前広場等デザイン基本計画」のプロポーザルで設計領域(東京・港)が選定されてからおよそ8年半。「100年に1度」といわれる大型開発が1つの節目を迎える。

2022年9月23日に全面オープンを迎える、新しい長崎駅。うねりが特徴的な膜屋根は長崎港に向かって高くなるようにし、海への軸線を強調している。写真奥に見えるのは夜景の名所として知られる稲佐山(写真:安井建築設計事務所)
2022年9月23日に全面オープンを迎える、新しい長崎駅。うねりが特徴的な膜屋根は長崎港に向かって高くなるようにし、海への軸線を強調している。写真奥に見えるのは夜景の名所として知られる稲佐山(写真:安井建築設計事務所)
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新幹線と在来線のホームを流線形の屋根で一体的に覆った。屋根材の膜は光を透過する。明るいプラットホームを創出した(写真:安井建築設計事務所)
新幹線と在来線のホームを流線形の屋根で一体的に覆った。屋根材の膜は光を透過する。明るいプラットホームを創出した(写真:安井建築設計事務所)
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 新・長崎駅は鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造の地上2階建て。長崎駅舎(新幹線)の設計を担当したのは、安井建築設計事務所(大阪市)と鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)だ。安井建築設計事務所は高架化した長崎駅舎(在来線)のほか、22年3月に高架下で開業した商業施設の設計も手掛けている。

 新・長崎駅の基本デザインとデザイン監修は設計領域が担当した。同社はプロポーザルで選定されてから長崎駅舎(新幹線)が完成するまで、8年半にわたって新・長崎駅のデザインに向き合ってきた。プロポーザルの提案書を基に長崎県と長崎市が16年3月にデザイン基本計画を作成。それと実際に完成した新・長崎駅を比べると、高い精度で計画が実現しているのが分かる。

 設計領域の新堀大祐代表取締役は、「デザイン基本計画から実際の設計段階に移行しても当社が並走できる体制だった。そのことがデザインの一貫性を担保するうえで大きかった」と話す。完成した建物を見ていこう。

写真手前の線路が新幹線、奥が在来線。延べ面積は高架下の商業施設を含めて約1万2000m<sup>2</sup>(写真:安井建築設計事務所)
写真手前の線路が新幹線、奥が在来線。延べ面積は高架下の商業施設を含めて約1万2000m2(写真:安井建築設計事務所)
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